Picture of My Life エッセイ⑩ – Picture of My Life 上田順平

Reminders Photography Stronghold Galleryはいよいよ今年の11月に4周年を迎えます。今年の記念企画展には上田順平 写真展『Picture of My Life 』を開催いたします。上田順平は2015年度にRPSにて開催されたPhotobook As Objectワークショップで写真集プロジェクト「Picture of My Life」に取り組みました。およそ一年以上をかけて完成した本の刊行および写真展になります。この展示に先駆け、展示作家上田順平によるエッセイの連載をしております. 最終回は「Picture of My Life」です.

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2015年に東京のReminders Photography Stronghold Gallery(以下RPS )で開催された手製写真集製作のワークショップに参加し、RPSキュレーター後藤由美さん・写真家のヤン・ラッセルさんと「Picture of My Life」をつくった。由美さんとヤンさんに相談しながら、大まかなストーリーラインをつくり、写真を分類分けして、流れをつくる。1人で滞っていた編集作業が、由美さんと話し合うことで、無駄がそぎ落とされて物語として纏まっていった。

布張りのハードカバーで家族アルバムのような装丁。表紙には父が書いた僕の肖像画の写真を貼った。父の絵と僕の写真が響き合い、両親から託されたものが凝縮して1冊にまとまっている。構想から18年かかって、やっとできた本を見て不思議な気持ちになった。僕が本になってここにいる。自分が生きて来た痕跡、忘れたくない目の前、たどりついた心が1つになり、僕が後世に遺したい想いが詰まっている。この本は僕の分身であり、祖先から受け継いだ僕の遺伝子だ。

「Picture of My Life」は上田順平の歴史書だ。僕の歴史書は自分が本当に伝えたい事だけを写真と文章で綴り、その物語に相応しい装丁で纏めた本だ。僕は自分の歴史書を作る過程で、両親から貰ったものを確かめ、死と向き合い、自分の中で生きている両親と出会うことができた。時間をかけて本を作ることで見えてきた両親の教えや、「愛を伝えることができれば人は死なないのかもしれない」という発見を世界中の人達と共有したい。

—-終わり。

これまでのエッセイを読む:
Picture of My Life エッセイ① – 父の絵 上田順平
Picture of My Life エッセイ② – 両親 上田順平
Picture of My Life エッセイ③ – 逃避旅行 上田順平
Picture of My Life エッセイ④ – 悪い夢 上田順平
Picture of My Life エッセイ⑤ – 死の淵 上田順平
Picture of My Life エッセイ⑥ – 家族アルバム 上田順平
Picture of My Life エッセイ⑦ – 写真学生 上田順平
Picture of My Life エッセイ⑧ – 新しい家族 上田順平
Picture of My Life エッセイ⑨ – 写真家 上田順平

こうしたエッセイも含む写真展に関する情報はフェイスブックで随時更新しています。https://www.facebook.com/events/886439928152952/
写真集’Picture of My Life’のご予約受付は終了しております.