3/9 午後7時から 【PHOTOBOOK AS OBJECT ALUMNI’S TALK: 虚構のレイヤーと作品表現の考察】対談:林田真季Xアンドレア・ボスカルディン

3月9日(木)午後7時より、「虚構のレイヤーと作品表現の考察」をテーマに掲げた対談イベントが開催されます。今回の対談では、写真集制作ワークショップ「PHOTOBOOK AS OBJECT」の受講経験者であり、アーティストブックを完成しているアンドレア・ボスカルディンと、先日資生堂ギャラリーで第17回 shiseido art egg 第1期展「Water & Mountains」を終了したばかりの林田真季が登壇します。

林田は、イギリス沿岸部の過去のごみ埋立地を撮影し、手彩色と虚構のレイヤーを加えることで、撮影地と撮影年を曖昧にします。彼女は白鳥を被写体に選び、そのくちばしの色にも注目します。林田の作品には、人間と自然の関係や文化的差異が鮮明に反映されています。
一方、アンドレア・ボスカルディンは、リマインダーズ・フォトグラフィー・ストロングホールドギャラリーで開催中の写真展「L’Oiseau perdu( ロワゾー・ペルドゥ・行方知れずの鳥)」のアーティストとして参加します。彼はイタリアの山中から出発し、神秘的な森で姿のない想像の鳥を探す物語を展開しています。

この対談では、二人の作品表現の背後にあるリサーチや意図に迫り、写真が私たちに伝えるメッセージについて探求します。今回はそれぞれが鳥を題材の一つに選んでおり、共通する題材からそれぞれの作家が選んだ作品表現と虚構のレイヤーがどのように相互作用するか、私たちにどのようなインスピレーションを与えるのか、興味深い議論が展開されることでしょう。

Installation view, “LOOKOUT #2-4”, 2023, hand-tinted gelatin silver print, 10 x 8 inch (each), Shiseido Gallery, Tokyo, 2024. ©︎Maki Hayashida

l’Oiseau Perdu©︎Andrea Boscardin

◉日時:2024年3月9日(土)午後7時頃〜(トークの時間は1時間ほどを予定しています)進行予定、必要に応じて通訳が入ります。※こちらのイベントのネット配信はありません。参加ご希望の方は直接会場にお越しください。事前の予約は必要ありません。
◉会場:REMINDERS PHOTOGRAPHY STRONGHOLD
東京都墨田区東向島2-38-5
◉参加費:無料


登壇者プロフィール:
林田真季
1984年生まれ。兵庫県出身。2023年ロンドン芸術大学ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション MA Photography 修了。東京を拠点とするビジュアルアーティスト。写真というメディアとその様々な形態に興味を持ち、デジタルとアナログ両方のプロセスを試しながら、社会を反映する現代アートとしての写真に挑戦する。そのリサーチをベースとする制作活動は、インスタレーションによって、作品がより深い思考を誘発することを目指す。2014年Reminders Photography Stronghold主催の写真集制作ワークショップで手がけた手製写真集「JAPAN-GO-ROUND」が海外からの評価を受け、本格的な写真活動を始める。2020年シンガポール国際写真フェスティバルのDummy Book Awardでグランプリ受賞後、2023年にはアルル国際写真フェスティバルでのLUMA Rencontres Dummy Book Awardのファイナリストとして選出。またFORMAT国際写真フェスティバル(2019年)、KYOTOGRAPHIE国際写真祭KG+SELECT(2021年)など、国内外で作品を発表している。第17回shiseido art egg入選。

アンドレア・ボスカルディン
1976年ミラノ生まれのアーティスト、写真家。自然と関わる作品を通して本質的な問いを探求している。また2012年にミラノで設立したRumore Neroは、小規模な独立系出版社として始まり、主に限定版の手作りによる芸術的な写真集を手がけてきた。2015年以来、アンドレアは、フランスの美術館での企画展開催のためパリと、イタリア・リグーリア(レヴァンテのリヴィエラ)にあるアトリエの二拠点で活動している。最近では、こうした美術館とのコラボレーションの成果もありRumore Neroは、出版以外にも、インスタレーション、展示、額装、創作、金箔貼りなど、プロジェクトを多角的に展開するために必要なノウハウが詰まった、完成度の高いプロジェクトへと成長している。その目的は常に、出版と展示を織り交ぜた芸術作品の価値を高めることにある。