オンラインライブ配信イベント:2/22 午後9時〜:作家と写真集をレビューする日【ゲスト:タミー・ロウ】

来る2月22日(月)午後9時より、「作家と写真集をレビューする日」を開催することとなりました。今回の登壇者は写真家のタミー・ロウです。201812月に刊行された写真集「Permission To Belong」の作家です。「Permission To Belong」はミャンマーから海外に移住した家族の日常を撮影した、移民、故郷、帰属のストーリーです。
現在、国軍の部隊によるアウン・サン・スー・チー氏をはじめとする複数の閣僚や地方首長、政党指導者、政治活動家など100名を超える人々の拘束が社会問題となり、進行形でクーデターの続くミャンマー。一度は手にしたはずの「民主化」を暴力で奪われ市民の安否が心配されています。軍が国家権力の掌握を宣言するという異常事態に対して、文民政府や国軍最高司令官との友好的な関係性をもち、民政移管から一貫してミャンマーの改革を後押ししてきた日本も他人事として流すことのできない状況にあるといえるでしょう。このような状況下も踏まえ、題材としてミャンマーを語り続けているタミー・ロウをゲストに迎え写真集「Permission To Belong」についてお話しいただきます。ぜひご参加ください。
※本イベントはオンライン配信となり、Reminders Photography Stronghold 会場での参加設定はございません。予めご了承ください。

Tammy Law “Permission To Belong” from REMINDERS PHOTOGRAPHY STRONGHOLD on Vimeo.

◉オンライントークイベント
日時:2021年2月22日(月)午後9時から(日本時間)
形式:Facebook経由オンライン配信、配信先のURL等は当日ご案内いたします。
イベントに関してのアップデートは随時、RPSのFacebookInstagramTwitter等でご確認下さい。
ゲスト:タミー・ロウ(Tammy Law)司会進行:後藤由美(RPSキュレーター)
※参加申し込みは特に必要ありません。
※オンラインでのみの配信となり、会場での参加はできません。
当日、Reminders Photography Strongholdもクローズしておりますのでお気をつけください。
※司会進行言語は英語になるため、進行しながら日本語通訳を入れての進行になります。
リモートでの通訳のご協力者を募ります。お手伝い頂ける方、
event@reminders-project.orgへご一報下さい。

写真集「Permission To Belong」について
「Permission To Belong」は、ミャンマーから海外に移住した家族の日常を撮影した、移民、故郷、帰属のストーリーだ。何十年も続いた弾圧統治と内戦を背景にした生活、アイデンティティの再考、家族構成、身内意識は、ミャンマーの歴史そのものと同じく多様であり複雑だ。

この本の中で、新たな家庭内の空間の中で撮影されたポートレート、あちこちに散りばめられた折込みポスターが組み合わされている。ポスターの中の画像は「内側」のイメージ、そして一度開かれれば家の「外側」へと観る者を移動させるイメージで構成されている。難民キャンプ、そしてタイ・ミャンマーの国境付近の国内難民のキャンプの中から投影されたイメージが、新たに移住した環境へと重ねられる。これらのイメージは避難家族たちの訴える、不在と存在の感覚へと呼応している。

アジア系オーストラリア人としての私の経験から湧き出した断絶つまり「家庭的とは対極の」深い感覚が、自分の中で大きくなっていった。1970年台、家族全員を香港に残し、私の母はオーストラリアのクイーンズランド州にある、サンシャインコーストという過疎の海岸へと移住した。 それは、オーストラリアにおける移民政策が政治的混乱の中にあった時期(現在の状況に似ていないこともない)だった。母のストーリーが突出しているわけではない。世界中における大量移民は、世界史の中の重要な出来事だ。数えきれないほどの家族が、帰属と非帰属、永続性と非永続性、離別と移住のはざまに生活している。

©️Tammy Law / Permission To Belong

©️Tammy Law / Permission To Belong

©️Tammy Law / Permission To Belong

©️Tammy Law / Permission To Belong

©️Tammy Law / Permission To Belong

©️Tammy Law / Permission To Belong

©️Tammy Law / Permission To Belong

PROFILE | Tammy Law
タミー・ロウのドキュメンタリー写真は、移民、植民、文化の違いの問題を中心に制作されている。アジア系オーストラリア人であるタミーの作品は、移住の複雑さや、感情的、心理的、身体的な混乱を探求し表現している。
2007年以降、オーストラリア国内のみならず海外でも定期的に作品を発表。彼女のアーティストブック『Permission To Belong』は2018年のANZ Photobook People’s Choice Awardを受賞し、2017年にはオーストラリア芸術評議会の助成金を得て、ミャンマーとオーストラリアの写真家同士のオンラインネットワーク「Fragile Constellations」を設立。2018年、さらなる研究を追求し、RMITでメディアとコミュニケーションの博士号を取得。写真家としての経歴の他に他の作家の作品をキュレーションも行う。その他、ウォール・ストリート・ジャーナル、ブローズシート、サタデーペーパー、オーストラリアン・トラベラーなどの広告媒体でも写真家として活動。

※プロフィール写真でタミーが立てる三本指には「民主化運動の象徴」「無言の抵抗」の意味があります。