写真家と写真集をレビューする日:写真家・安世鴻「重重」8/15開催!
© Ahn Sehong
90年代より「慰安婦」問題をテーマに被害者女性たちを撮り続け、韓国で初めて中国残留朝鮮人日本軍「慰安婦」のハルモニたちをテーマにした写真を発表した写真家安世鴻(Ahn Sehong)氏が写真集「重重」を刊行されました。この刊行を記念し、RPSで不定期で開催している「写真家と写真集をレビューする日」を今回は実際に写真家の安氏をお招きして開催したいと思います。
写真家・安氏がこの本に託した思いや本が出来るまでの経緯を通して、一冊の写真集をより深く見れる機会が作れたらと思っています。どんなお話しが飛び出すか、会場のセッションに参加した方のみが得られる貴重なお話しが聞けるはずです。是非、お誘い合わせの上、ご参加下さい。みなさまのお越しをお待ちしています。
日時:2013年8月15日(木)午後6時30分開場、午後7時スタート
会場:reminders photography stronghold
墨田区東向島2-38-5
アクセスについてはこちら→
参加費:1,000円(定員40名程度、RPSメンバー会員は無料)
司会:STRONGHOLD GALLERYキュレーター・後藤由美
ゲスト写真家:安世鴻
当日書籍の販売もあります。ご本人による署名も可能となっています。
※日韓同時通訳あり
参加の申し込みはこちら
↑のフォームがうまく起動しない場合は、メールにて①お名前(フリガナ)②EMAIL③参加希望人数④書籍購入ご希望の場合は希望の旨をお知らせ下さい⑤備考(連絡事項があればお知らせ下さい)と本文にお書き添え頂き、件名を「写真家と写真集をレビューする日:写真家・安世鴻参加希望」としてお申し込み下さい。stronghold@reminders-project.org
「写真家と写真集をレビューする日」アーカイブ
第六回:ジョシュア・ルッツ」
第五回:ディビッド・チャンセラー
第四回:ジェレミー・スティグテー
第三回:マーク・アスニン
第二回: ヴォルフガング・ベルウィンケル
第一回: レナ・エフェンディ
重重 中国に残された朝鮮人日本軍「慰安婦」の物語
書籍概要
定価:本体2500円+税
A5判ハードカバー 176ページ
出版社:大月書店
中国に残留させられた元日本軍「慰安婦」たちの肖像写真展「重重」は、2012年に新宿ニコンサロンでの展示を不当に拒否されながらも、日韓の心ある市民の協力により、各地で展示を実現してきました。書き下ろしエッセイ・解説を収録。元「慰安婦」ハルモニたちの深い苦しみ、それに向き合う私たちの責任を静かに問いかけます。
2001年から2005年まで、七回に70年程前より中国で帰国できずにそのままそこで暮らしているハルモニたちに出会い、彼女たちの内面を深く知るひとつのきっかけができました。ハルモニたちと過ごした時間の中で、生きている瞬間を写真に捉えるということは、極度の緊張を要しました。一緒に泣いたり笑ったりしながら過ごす中で、彼女たちは私の心の深いところに位置するようになりましたが、カメラのファインダーを眺める瞬間、自由に被写体との境界を往来するのは容易ではありませんでした。人間的な側面と、日本軍「慰安婦」被害者としての一面というぎりぎりの境界を注意深く把握し、歴史の真実を写真に留めよう思いました。
真実を写真に、そして文章にすることで色あせてしまわないかと心配したりもしました。限られた紙面に文章を綴り、写真を選びながら、私の心の中にハルモニたちが今も生き続けていることを実感しました。
この本を手に取り、写真の中のハルモニたちの存在をいつまでも記憶してください。苦しみを最期まで抱き続けたハルモニたちの痛みを知ることにより、戦争のない世の中、女性の人権が蹂躙されることのない世界になることを願います。
安 世 鴻(アン・セホン) Ahn Sehong
1971年韓国江原道生まれ、ソウルで育つ。中学生時代から伝統舞踊である「仮面の舞」を撮り始め、障がい者、日本軍「慰安婦」、人権に関わる写真など、社会的マイノリティー層をテーマにドキュメンタリー写真を撮り続けている。その他にも、朝鮮半島の基底を土台とした写真の感覚的基盤を追求するため、巫俗、仏教、民俗などの朝鮮半島における伝統文化を探求し続け、同時に伝統文化に対する知識を深めながら写真作品を制作してきた。2008年以降は、韓国と日本を行き来し、現在は韓国と日本を始めとするアジアシャーマニズムに関する理解を深め、撮影作業を行うと同時に、日本12ヶ都市を中心に、ニューヨーク、パリ、ベルリン、ソウルなど世界各国での日本軍「慰安婦」写真展、講演会、歴史の記録を目的とした「重重プロジェクト」を進行中。