第27回RPSグラント受賞者が決定、エヴァ・ライトルフ+ジュリア・コルディンのプロジェクト「Violent Images」が受賞しました。
©︎STUDIO IMAGE / Violent Images
Reminders Photography Stronghold(RPS)は、エヴァ・ライトルフ(Eva Leitolf)とジュリア・コルディン(Giulia Cordin)による共同プロジェクト「Violent Images」を、第27回RPSグラント受賞プロジェクトとして選出したことをお知らせします。
二人は、ボルツァーノ自由大学(Free University of Bozen-Bolzano)デザイン・アート学部のStudio Imageを拠点に、チームとして教育・研究・制作活動を行っています。
2026年3月締め切りの応募については、アレクサ・ベッカー、エリック・ヴロンス、テウン・ファン・デル・ハイデン、アンドレイ・ポリカノフの4名が審査を担当し、「Violent Images」が第27回RPSグラント受賞プロジェクトとして選出されました。
「Violent Images」は、現代の視覚文化において、イメージが暴力の生成、流通、解釈にどのように関与しているのかを考察するプロジェクトです。写真を単に出来事を表象するものとして捉えるのではなく、イメージがどのような社会的、政治的、制度的条件のもとで生み出され、流通し、消費され、記憶されていくのかに目を向けます。同時に、写真はいかにして、自らが批判しようとする暴力の論理や構造を再生産することなく、暴力について語ることができるのか、という問いを投げかけます。
プロジェクトの中心にあるもう一つのテーマが、「可視性」と「理解」の関係です。戦争、強制移動、災害、構造的暴力をめぐるイメージが絶え間なく流通する現在、より多くのものが見えるようになることが、必ずしもより深い理解や政治的な関与につながるとは限りません。イメージの反復や文脈からの切り離し、加速する流通は、むしろ距離や感覚の麻痺、単純化を生み出すことがあります。「Violent Images」は、写真とその文脈化を通して、イメージをより批判的かつ責任をもって読み、向き合うための場をどのようにつくることができるのかを探ります。
今後、エヴァ・ライトルフ、ジュリア・コルディンとRPSとの対話を重ねながら、プロジェクトをさらに発展させていきます。展示会場、開催時期、出展作品、空間構成などの詳細は現時点では未定で、これからの話し合いを通して決定していく予定です。
「Violent Images」がRPSという場との対話のなかで、どのような展示へと展開していくのか、どうぞご期待ください。
RPSグラント応募受付中(締め切り:2026年9月30日)
https://reminders-project.org/ja/grantsjp/
©︎STUDIO IMAGE / Violent Images
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STUDIO IMAGE
Studio Imageは、ボルツァーノ自由大学デザイン・アート学部ヴィジュアル・アーツ学士課程の一部として、視覚研究についての考察と実験を行う場です。エヴァ・ライトルフとジュリア・コルディンはチームとして協働し、それぞれの専門性を生かした学際的な教育・研究を展開しています。
各学期には、イメージがどのように生み出され、文脈化され、流通し、使用されるのかを批判的に検証するリサーチプロジェクトに取り組み、とりわけ社会的な対立をはらむ問題や、公共・政治的言説のなかでイメージが持つ影響力に焦点を当てています。
近年では、こうした教育プロジェクトが研究活動へと発展し、出版物や展覧会としても展開されています。主なものに、『Landscape with(out) Locus』(Nero Editions、2023)、同プロジェクトと連動した展覧会「Reading Landscape?」(Lumen Museum、2023)、『Violent Images』(Nero Editions、2025)、展覧会「Diminishing Returns」(FotoForum, Bolzano、2024)、ジェンダー表象とそれに付随するステレオタイプを検証する「Reverse Gazes」などがあります。
EVA LEITOLF|エヴァ・ライトルフ
アーティスト、教育者、キュレーター。2019年、ボルツァーノ自由大学の美術教授およびStudio Image代表に就任。イメージの生成と文脈化のあり方を批判的に検証することを一貫した軸とし、植民地主義、人種差別、移民など、社会的な対立をはらむ問題を扱っています。
これまでにSavvy Contemporary(ベルリン)、Pinakothek der Moderne(ミュンヘン)、Hamburger Kunsthalle、Sprengel Museum Hannover、Rijksmuseum(アムステルダム)、KunstHausWien(ウィーン)、National Gallery of Kosovo(プリシュティナ)、DePaul Art Museum(シカゴ)など、国際的な美術館・文化機関で作品を発表しています。
GIULIA CORDIN|ジュリア・コルディン
グラフィックデザインとヴィジュアル・アーツの領域を横断して活動するデザイナー、教育者、研究者。批評的かつ学際的、実践的なアプローチを通して、現代社会の課題に対するデザインの政治的役割を問い直しています。
特に、視覚表象をめぐる政治性やイメージの文脈化に関心を持ち、出版、デジタルメディア、展覧会などさまざまな形式で活動しています。2017年よりボルツァーノ自由大学Studio Imageでヴィジュアル・コミュニケーションを教えています。オーストリアのリンツ芸術大学(Kunstuniversität Linz)にてMedia Theories and Interface Culturesの実践研究による博士号を優秀な成績で取得。2015–2016年には、マーストリヒトのJan van Eyck Academieでデザイナー・イン・レジデンスを務めました。
画像提供:STUDIO IMAGE