RPS図書室に所蔵されている写真集、いつも「新しいのが入りました!」とか「写真家の方から寄贈されました」とご紹介するのが精一杯でしたが、これから不定期で写真集図書室に集まっている写真集についてのレビューを更新していこうと思います。レビュアーも好みや視点が偏らない様に、数名の写真家、写真専門家がとりあげて行きます。不定期になりますが、今後の更新をお楽しみに!第一弾はRPS所長の後藤勝によるレビューとなります。RPSフォトブックストアに入荷したばかりのNUOTRAUKOS DOKUMENTAMS / PHOTOGRAPHS FOR DOCUMENTSを取り上げています。 シンプルでかつ強烈な写真集に出会う事は少ない。 NUOTRAUKOS DOKUMENTAMSを見ると、写真は技法ではなく、何が写っているのかが一番重要だと感じる。白バックに写る被写体は、見る者の眼をじっと見つめる。その眼は恐ろしいほど純粋に見える。 ソビエトがリトアニアに侵攻し、人々の新しいパスポートの為に撮影した写真。ドキュメントの為だけでなく、戦時下の人々を記録する必要があったのだろう。 CambodiaのTUOL SLENG PRISONのポートレイトは、処刑したことを証明するために、収容者の写真を撮り続けたという。記録する為に撮影された写真。写真の原点がここにある。 歴史上戦争があって、記録写真、または家族写真や記念の為に、写真という技法を使い、それらを記録に残す必要があった。記録に残したいもの以外は撮る必要が無いという、とてもシンプルな考えにたどり着く。写真とは本来そういうものなのだ。 後藤勝(RPS所長)  こちらRPSに入荷しました、ただいま販売中です。 https://reminders-project.org/rps/nuotraukosdocumentamssalejp/

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