佐藤文則アーティストブック「ろっこく」販売終了しました!
佐藤文則アーティストブック「ろっこく」のご注文受付はエディション数に達したため、販売を終了しました!
佐藤は2018年に開催された写真集制作ワークショップ「Photobook Masterclass」に参加し、本作品の制作に取り組んできました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災から約2年後、佐藤は福島第一原子力発電所の事故によって、原則立ち入りが禁止された福島県浪江町津島地区を訪れた。ゴーストタウンのように眠る山間の集落。そこで、見たのは高濃度の放射生物物質に汚染された森や無人の家屋だけではなかった。同伴した一時帰宅者の家は、勝手口を打ち破って侵入した野生動物によって無惨な姿に変わり果てていた。それでも、避難前の生活がそのまま残されていた。1時48分46秒で止まった柱時計、「笑」と書いた子供の習字、戦後にシベリアに抑留されたことを記した日本政府からの「慰労状」…… 家には家族3代の歴史が刻まれていた。さらに集落を廻ると、古民家の戸口には家人が戦死したことを示す「戦没遺族の家」の札、命からがら満州から引き揚げてきた開拓民たちがここで再入植したことを記念する「開拓記念の碑」などがあった。荒地を開墾し、やっと安住の地を見つけた彼らのなかには、原発事故で再び避難民の苦渋を味わっている人たちもいる。過去に国策による「戦争」で、そして今は国策による「原発」に翻弄される津島の人びと。まるで過去と現在が交錯しながら、時を超えて同時に存在しているかのように思えた。
アーティストブックの発売と同時に、2023年9月には佐藤文則写真展「ろっこく」も開催いたします。展示会期中は作家が在廊し、会場での写真集制作作業も進めていきます。ぜひ併せてご注目ください。
「ろっこく 」
「ろっこく」とは、国道6号の通称である。後日、津島を含め、これまでに訪れた被災地を地図で確認すると、それらの多くが東京からの一本の道で繋がっていることに気がついた。国道6号である。東京都日本橋から千葉県、茨城県、福島県を経て、宮城県仙台市に至る。津島で覚えた過去と現在が交錯しながら、時を超えて同時に存在しているかのような不思議な感覚をガイドに、首都東京から津島に向かって国道6号を走り始めた。
道中、さまざまな人たちとの出会いがあった。関東大震災の記憶に病む在日朝鮮人、東京大空襲で家族5人を失った少女、特攻隊に選抜された青年、武装開拓民として満州に渡った少年、長期勾留を余儀なくされた難民申請者、原発推進の標語を考えた小学生、巨大防潮堤の建設に抗う津波被災者……
「ろっこく」は単なる道ではない。私たちの過去を刻み、私たちの現在を写し、私たちの未来を暗示しているかもしれない。
文:佐藤文則
佐藤文則アーティストブック「ろっこく」
◎部数:66部(エディション、署名入り)エディションに達したため、ご注文の受付を締め切りました!
◎ページ数:163ページ
◎サイズ:200mm x 200mm x 23mm
◎重さ:約440g
◎言語:日本語版または英語版(※注文時に選択してください)
◎価格: 6,600 円(消費税込、別途送料についてはこちらをご確認下さい)
◎写真・編集・印刷・装丁: 佐藤文則
◎本書はReminders Photography Strongholdにて2018年開催されたトゥーン・ファン・デル・ハイデン、サンドラ・ファン・デル・ドゥーレンと後藤由美によるワークショップ「Photobook Masterclass」において、コンセプト、編集、アートディレクションを発展させて制作されました。
◎コンセプト、アートディレクション:後藤由美(リマインダーズフォトグラフィーストロングホールド)
ご注文を頂き、お振込の確認が出来次第ご注文完了となります。その後、本が完成次第発送いたします。
制作期間として1〜2ヶ月程度お待ちいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。ご連絡がなくお振込、決済の確認が出来ない場合はご注文は完了せず、自動的にキャンセルとさせて頂く場合があります。
尚、発送時にはとくにご連絡をいたしません。※宅配便でのお届けとなります。ご希望の方は、下記フォームよりご注文ください。
また、下記フォームが機能しない場合は、こちらのリンクよりお申し込みください。
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©︎Fuminori Sato / Rokkoku
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