第三回「Photobook Review with the Author, Marc Asnin」

写真集に関するイベント「PHOTOBOOK REVIEW WITH THE AUTHOR(写真家と写真集をレビューする日)」の第三回のお知らせです。今回取り上げる写真集は「Uncle Charlie」著者である写真家はマーク・アスニン(Mark Asnin)。

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マーク・アスニンは30年間彼の叔父、Charlieを撮影している。1980年台前半、写真を学んでいた時、彼の叔父の人生の現実は彼の少年時代のファンタジーを踏みにじった。子供のころのアスニンにとって叔父の存在は大きく、世慣れた、銃を持つ強い男としてあこがれの的だった。Charlieと彼の5人の子供(Charles、Joe、Brian、MaryそしてJamie)はBrooklynのBushwickに一緒に住んでいた。空虚ではかない生活のなかで、仕事に就くこともできず、彼のアパートを出ることすらせず、Charles Henschkeは人間の殻だった。

Uncle Charlieは彼のゴッドファーザーであるCharlieの人生と、精神病、孤独、貧困、そして家族との関係においての困難を詳細に描く風変わりな、視覚的また読み物的な日記である。

アスニンはCharles Heschkeという極端に複雑な個人と再びつながる手段として写真を選んだ。その結果として道のりは彼の叔父とその家族についての向き合い難い真実に立ち向かい、吟味し、理解することへのほとんど強迫観念にも近いものとなった。この本はBeau Freelanderに編集された、何時間も録音されたマーク・アスニンとの会話のなかで彼自身に語られたCharlieの人生に関する、長い文章と書類とが視覚的に取り扱われ強いレイアウトのされた比類ないものである。

この本はドキュメンタリー写真と文学とが双方完成されており、それらがミックスされた新しい試みの産物である。Uncle Charlieは前例のない長期にわたるドキュメンタリープロジェクトだ。

「Uncle Charlieとは何についてなのかよく尋ねられます。30年経ちそれを結論付けることは簡単だと思うかもしれません。しかしこの本は私の叔父の、一人の人間としての理解し難い生(なま)の人生であり、簡単な答えや結論はありません。これはやぶれた夢、失望、また重くのしかかる存在のなかでの幸せのかけらを見つけようという精神的回復力についてであり、結果、見逃された機会、思い違い、喪失についてです。この本は彼の言葉と私のイメージとのコラボレーションであり、私と私のゴッドファザーとのダンスなのです。

TIME: 2013/2/2 (土) 16:00

Place: Reminders Photography Stronghold
Fee: 500円(定員20名程度、RPSメンバー会員は無料)
Host: STRONGHOLD GALLERYキュレーター・後藤由美
Guest: マーク・アスニン (アメリカよりスカイプ中継で参加)

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“Uncle Charlie” by Marc Asnin

Contrasto books

 

Biography

Marc Asninは20年以上ニューヨークを拠点に写真家として活動してきた。彼はブルックリンで少年時代、広告写真家であった父親に影響を受け写真に興味を持ち始めた。彼は広域に渡り活躍しており、ユージン・スミス賞, the Mother Jones Documentary Award, the Alicia Patterson Fellowshipを含む様々な受賞歴がある。また、International Center of PhotographyやThe School of Visual Artsなどの機関で教鞭をとってきている。

http://www.marcasnin.com/

 

Photobook Review with Author
第一回 「Photobook Review with the Author, Rena Effendi」の全文がこちらでご覧になられます。