林田真季 写真展「Almost Transparent Island」6/8-23まで
RPS2019年度の企画展第2弾は林田真季 写真展「Almost Transparent Island」を開催いたしま
林田は2014年度に行われた「PHOTOBOOK AS OBJECTワークショップ 」における日本の里山・里海を軸にしたプロジェクト「JAPAN-GO-ROUND(2014年)」の製作・販売を経て、長崎県五島列島にある2つの島の風景をまとめた「The Pacific Tourist(2016年)」の製作に取り組みました。
その後、彼女の関心は瀬戸内海にある豊島へと移っていきます。今では直島に続きアートの島として認知されている豊島ですが、実は有害産業廃棄物の処理場として利用されていたという過去を持っています。
本作品は昨年ラトビアで行われたISSPレジデンシープログラムにてアップデートされ、今年3月にはイギリスで行われたFORMAT国際写真フェスティバルにて展示が行われました。
ISSPでの活動はレポートがまとめられております。ぜひご覧ください。
【連載企画 ARTIST VOICE】:林田真季 ISSPレジデンシープログラム滞在レポート①
【連載企画 ARTIST VOICE】:林田真季 ISSPレジデンシープログラム滞在レポート②
今回RPSでは日本で初めての発表となると同時に、写真集の刊行も予定されています。
透けて見えるほどの薄い紙を使用して作られた写真集は、目の前の風景は過去を経て現在の光景に繋がっているという、表裏一体の様を体現しています。美しい風景の裏側に積み重ねられた土地の歴史を、写真集をめくる行為を通して体感していきます。
「Almost Transparent Island」は、瀬戸内海の豊島(てしま)で起こった、日本最大級の産業廃棄物不法投棄事件の軌跡を辿るプロジェクトです。
豊島の産業廃棄物は、1975年頃から1980年代にかけて持ち込まれ、豊島住民の過酷な闘いによって2000年に公害調停が成立し、豊島からの撤去と隣島・直島での処理が始まりました。産業廃棄物の総量は約91万8000トンにも及び、2017年3月に豊島撤去完了・2017年6月に直島処理完了しています。この経緯を受け、2017年7月以降に撮影した事件現場の風景に、豊島住民の方々が撮影した1980〜2000年代の写真を組み込んで作品を構成しています。
このプロジェクトを通して、「自然豊かな美しい豊島で、日本最大級の産廃事件があった」という事実を伝えたいと思います。
会期 | 2019年6月8日(土) – 23日(日)
13:00 – 19:00 会期中無休・入場無料
*レセプション、およびアーティストトーク 8日18:00から
詳細は最下部を参照ください。
場所 | Reminders Photography Stronghold Gallery
東京都墨田区東向島2-38-5
東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩6分
京成曳舟駅より徒歩5分
助成 | すみだ文化芸術活動助成金
◎アーティストブック『Almost Transparent Island』刊行予定
44部限定/手製本/150ページ/H245mm x W195mm/受注制作
このダミーは、出版社La FábricaとPhoto Londonが共同で行う「Dummy Book Award 2018」のショートリストに選出されています。
林田真季
1984年生まれ。兵庫県出身・東京都在住。コニカミノルタフォト・プレミオ2016入選。Singapore International Photography Fesitival 2016、FORMAT International Photorgraphy Festival 2019(イギリス)などでの展示のほか、様々なダミーブックアワードのショートリストに選ばれている。
http://www.makihayashida.com
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◎オープニングレセプションならびにアーティストトーク
2019年6月8日(土) 18時〜
参加無料 ※投げ銭制
トーク 写真家 林田真季 × 学芸員・作家 佐々木良氏
ドリンク 『檸檬ホテル』
フード 『ごはんや今日』
18時より、『檸檬ホテル』のレモンスカッシュを飲みながらご鑑賞頂けます。『檸檬ホテル』は瀬戸内国際芸術祭2016で生まれた、豊島にある「泊まれるアート作品」です。現地でしか提供していない豊島檸檬をふんだんに使った絶品レモンスカッシュを、特別にご用意いたします。
林田による作品解説の後は、『美術館ができるまで(啓文社書房)』の著者である佐々木良さんをお招きし、クロストークを行います。学芸員・作家である佐々木さんは、大学卒業後に地中美術館に従事し、豊島美術館の設立に携われました。2017年の産廃完全撤去の瞬間にも、豊島住民として立ち会っていらっしゃいます。「私にとって豊島とは、自然とどう向き合えばよいのか、どう生きていけばよいのかということを深く考える場所だと思っています。」と著書に記していますが、それはまさに林田の思いと同じでした。同じ1984年生まれのふたりが、「なぜ今、豊島なのか?」を問います。
『ごはんや今日』による豊島にまつわる軽食もお楽しみ頂けます。『ごはんや今日』は、いろいろな生き方働き方に出会える場所リトルトーキョー1Fにあるごはんやさんです。季節の旬や産地、市場からの知らせを聞きながら、今日たべたいと思うものをつくっています。
NEW !!! : クロージングイベント 6/22(土)午後6時〜
現在開催中の林田真季 写真展「Almost Transparent Island」 のクロージングイベントとして、生演奏のBGMとともに作品をご鑑賞いただけます。演奏してくださるのは、直島や宇野(岡山)でもライブをされているPaniyoloさんです。瀬戸内と豊島に思いを馳せながら、アコースティックギターを奏でていただきます。
どうぞ素敵な音楽とともに、日が暮れた後の展示をお楽しみください。
※フードやドリンク等のご用意はございません。
◎Paniyolo -パニヨロ-
ギタリスト高坂宗輝のソロプロジェクト。82年 福島県出身。
06年12月、下北沢でのライブからPaniyoloの活動は始まりました。
音楽レーベル「SCHOLE」に所属し、アコースティックギターアルバムを複数発表しています。
15年4月、中村大史をゲストギタリストに迎え、ギターデュオアルバム「たまのこと」を発表。
それ以降「いつものひのおわりに」と題した演奏活動を各地でおこなっています。
最新作は19年3月に発表したミニアルバム、「三月が眠る」。