締め切り延長7/8まで!参加申し込み受付中! MAJID SAEEDI「日常のなかの戦争」ワークショップ

2013年春の応募に寄せられた30を超す作品に対して、Svetlana Bachevanova、Marc Prüst、Manik Katyal、Eliseo Barbàraが厳正な審査を行ない、Majid Saeediの取り組んだプロジェクト「アフガニスタンにおける戦争犠牲者の記録」が、第二回RPSウォールグラントに選ばれました。RPSでは7月にMajid氏の記念写真展を行い、彼の来日に合わせて週末を利用したワークショップを開催します。

期間は2013年7月13日(土)14日(日)15日(祝)の3日間。

講師のMajid Saeediは、戦乱が続くアフガニスタンを約10年間追い、国際的な賞も受賞し、ドキュメンタリー写真家として中東を主に幅広く活躍しています。期間中は彼の写真展も行なわれています。

このワークショップは「日常のなかの戦争」というテーマで、各自取り組むプロジェクトを計画し日本で撮影して頂きます。日本にはすでに戦乱はありませんが、実際には多くの社会問題が存在しています。地方では原発や過疎化問題、都会では貧困そして自殺問題など、その多くは視覚化することが不可能と言われています。しかし写真家にとって見えない問題を視覚化する事は挑戦であり、さらには日本人写真家として、自国の社会問題に向き合い記録し、それを日本から海外のメディアに提供していくことが重要ではないかと考えます。

すでに日本の社会問題を撮影している方、これから撮影する方、そして撮影テーマが見つけられない方、今後、紛争地で撮影の計画がある方、された方もご参加頂けます。ワークショップ本番前にコンサルティングの時間を設けます。講師は16歳のときからつねに戦乱と隣り合わせで成長し、写真を撮る事に目覚めてから記録を続けていまに至る、筋金入りのキャリアを持った写真家です。今年はRPSグラントだけでなく、世界報道写真賞でも同内容のシリーズが入賞しています。

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Majid Saeediが昨年のSheed Award内で開催されたワークショップで教えている風景です。
Sheed Awardは非営利で運営されている非政府組織が創設した社会派のドキュメンタリー写真家に与えられる賞です。イランの写真家たちの活動を奨励する目的で活動し、高いプロ意識に水準をあわせたフォトジャーナリストや社会派のドキュメンタリー写真家たちの活動をプロモートしています。写真を見て頂けば、その雰囲気が伝わって来ると思います。
このワークショップのなかで、Majid Saeediも一人の講師として参加しているのです。中東のひときわイランの写真家たちの写真のクオリティは高いです。またクオリティだけではなく、社会正義にたいして、写真で声をあげていく志の高さもあります。イランのみならず中東の写真シーンはどうなっているのか、フォトジャーナリストやソーシャルドキュメンタリーの写真家たちがワークショップで学び取っていることとは?
是非、7月の3日間で講師から多くのことを学び取って頂きたいと思います。

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ワークショップ詳細

7/13 – 1日目
午前:日常のなかの戦争をテーマに自身のプロジェクトをプレゼンと議論(ワークショップ初日までにこのテーマにあわせたプロジェクトを考え、撮影を進めておくこと)
午後:講義(ドキュメンタリーのストーリーの作り方)
各参加者への撮影アサイメント、撮影実践(課題)

7/14 – 2日目
午前:講義(紛争下と紛争後のトラウマにある状況での撮影方法)
午後:編集セッション、撮影実践(課題)

7/15 – 3日目
午前:編集セッション(最終的な写真の選択とシークエンスの決定)
午後:一般公開レビュー(実際に観客の前で自身のプロジェクトについてプレゼンします)、ワークショップ・クロージングパーティー

期間:2013年7月13日(土)、14日(日)、15日(祝)
*計3日間
*15日の午後2時から参加者によるプレゼンテーション、午後6時からワークショップ・クロージングパーティーを行ないます。
費用:一般35,000円 RPSメンバー30,000円(先着順、応募締め切り時まで受付)
会場:Reminders Photography Stronghold
締め切り:2013年7月5日 7月8日に延長しました。
※講義は英語になりますが、通訳を介して行いますので、ご安心下さい。また期間中は、PRSキュレーターの後藤由美も編集などの指導のお手伝いで参加します。

こちらのフォームよりお申し込みください。

参加申し込みはこちらから

©Majid Saeedi

©Majid Saeedi

写真展「アフガニスタンにおける戦争犠牲者の記録」

プロジェクト・ステートメント

歴史を通して考えてみると、人類の偉業と技術の進歩によって、かつては単純で有り触れた病のために落としていた命を救うことができるようになりました。しかしながら、ある種の進歩と功績は、多くの人間の命を脅かし、奪うことのできる破滅的な武器を産み出し、我々人類に対して間違った使われ方をされています。人間がこの地球に生まれて以来、人類の功績の歴史は続いているのです。

虐殺に使用するための武器は非常に高性能で、それを使って世界中のどんな場所でも破壊する準備が整った多くの化学兵器や核兵器が、数多く存在します。この世界の中で、人類とは思いやりを持ちながらも、最も残酷な生き物だと言えるでしょう。アフガニスタンは50年前から戦争を行っています。それは、時には攻撃を行ってきた国々を相手にしたものであり、そして時には内戦でした。1833年、ヘルマンド渓谷の南側で、アフガニスタンとイギリスの間に最初の戦争が起きると、その後、ソビエトとアフガニスタンの間で、また内戦へと戦争は続いていきました。国際的にも国内的にも、アフガニスタン人は戦争と流血を経験してきた人々なのです。アフガニスタン人が先進国と協力しながら過激派組織であるタリバンとの戦争を続けて、もう10年以上。残念なことに、戦争の傷跡は日増しに目に見えて大きくなっているのです。

講師経歴

http://www.majidsaeedi.com/

Majidportrait

Majid Saeediはイラン人のドキュメンタリーフォトグラファー。人道的な側面に着目した作品を20年以上に渡り、中東で撮影している。これまで語られることのなかった社会的問題や社会的正義のストーリーを、写真を通して伝えることに強い関心を寄せている。テヘランで生まれ育ち、16歳で写真を始め、18歳のときにイランとイラクの国境線へ難民の写真を撮りに行った。

イランの様々な報道関係の写真部と仕事を行い、多くの主要なプロジェクトを担ってきた。市民とその普段の生活を写し出すストリートフォトグラフィーに関心がある。撮影以外の時間には、学生への写真の教授や、若い写真家への指導も好んで行っている。

数多くの有名な賞を世界中で受賞し、過去8年間、イランのベストフォトグラファーに選ばれ続けている。作品は、国際的な出版物であるTimes、Spiegel、Life、New York Times、Washington Post、Washington Times、Time Magazine、様々な中東の出版社、オンラインの出版物で扱われている。中東の多くの国々を旅し、非人道的な行為や不正を写真に収めてきた。最近の作品ではアフガニスタンにおける地雷の犠牲者を捉えている。

近年受賞した2012年度 R.F. Kennedy アワード、2011年度 US Lucie アワード、2010年度 UNICEF アワード,、2011年度・2013年度 China International Press Awardの最優秀賞、 2010年度 Henri Nannen アワード、2013 World press photo WPPなど、多くの賞に選ばれている。

翻訳:川上紀子