就任表明:RPS京都分室パプロル分室長・松村和彦

RPS京都分室パプロルのお気に入りの場所に座る松村和彦
松村近影のみ写真撮影:青島工芸

 東京のRPSが2012年にオープンしてから、折に触れて通いました。写真展や写真集の図書室、ワークショップ、後藤由美さんのメンターシップから、たくさんのことを教わりました。写真の切実さ、面白さ、そして美しさを知りました。一方、一人の写真家として、写真で社会に何を伝えるのか、そのために最大限のことをできているのかをいつも問われました。RPSは私にとって大切な場所です。

 2020年秋に、自分が住んでいる京都にRPSの分室ができると聞いた時は、とてもうれしく思ったのを鮮明に覚えています。その後、工事の内容の話し合いや記録に立ち会ううちに、床下から糸巻き機が見つかりました。

 分室は、西陣織で知られる「西陣」に建っています。当時、私はあるお医者さんの取材をまとめていました。戦後、西陣の和装産業に従事する住民や同僚らと先駆的な地域医療を作り出した人でした。糸巻き機を見ていると、分室のある場所でその方が活動されていたことが実感できました。その方との出会いは単なる取材を超えた大切なものでした。亡くなる前に、私に「見えないものを写してほしい」という宿題を残されました。

 分室の完成が近づいたある日、由美さんから分室長就任のご依頼を受けました。自分にとって大切な場所の新天地が、大切な人が活動していた場所と重なったことは、とても重要なメッセージでした。しかも、社会のために既存のシステムにはない方法を実践する精神も共通しています。微力ながら、その実践に加わることができればと思い、ご依頼を受けることにしました。写真記者は続けますので、常に分室にいるわけではありませんが、皆さまにお目にかかれるのを、とても楽しみにしています。

RPS京都分室パプロル分室長:松村和彦

京都分室の改築工事の合間に、公開イベントとして開催された松村の写真展「見えない虹」。医師の早川一光さんの人生を通じて日本の社会保障史をたどった(2020年11月)

京都分室の改築工事の合間に、公開イベントとして開催された松村の写真展「見えない虹」。医師の早川一光さんの人生を通じて日本の社会保障史をたどった(2020年11月)

まつむら かずひこ : 京都新聞の写真記者として働きながら、作品制作に取り組む。前作、「見えない虹」は西陣で活動した医師の早川一光さんの人生を通じて日本の社会保障史をたどった。2019年春に京都国際写真祭KYOTOGRAPHIEのサテライトイベントKG+で写真展を開催。2021年度​​写真新世紀で佳作受賞。写真集に「花也」(14年、京都新聞出版センター)や「ぐるぐる」(16年、自主制作)がある。現在、認知症の取材に取り組んでいる。4月よりRPS京都分室パプロル分室長を務める。


※RPS京都分室パプロルオープニング記念初のワークショップが開催されます。是非奮ってご参加ください!
RPS京都分室パプロル・製本ワークショップ参加申込受付中。※4月10日締め切り(先着順優先締め切り)
https://reminders-project.org/rps/paperoles_bindingws_jp/
https://www.facebook.com/media/set?vanity=RPS.KYOTO.PAPEROLES&set=a.10159951815129939
RPS京都分室パプロルオープン記念初のワークショップとして、これまで東京でも度々開催し、好評頂いている製本ワークショップを開催いたします。