コロナ禍中インタビュー「長期プロジェクトに取り組む作家」:木村肇
現在RPSでは「COVID-19パンデミック」に関する企画展提案の募集を行なっております。
当募集の締め切り日は8月15日となります。ご検討いただき是非ご応募ください。
今回はコロナ禍において作家としてどのように作品作りをしてきたのかインタビューを行いました。
回答していただいたのは、来たる8月22日(土)午後7時より予定しているオンライントークライブ「長期プロジェクトに取り組む作家」にご参加頂く作家さん4名です。
「COVID-19パンデミック」企画の応募を検討している方には是非参考にして頂ければと思います。
尚、22日のイベントにつきましてはまもなくご案内を開始しますので今しばらくお待ちください。
今回はイベント登壇者の一人、木村肇さんに3つの質問に答えていただきました。
【質問1】
新型コロナウイルス蔓延下の自粛期間中、自身のプロジェクトにはどのように取り組まれていましたか?
【回答】
自粛期間中の取り組みは、自分はプロジェクトで高齢者のインタビューが出来なかったのもあり、ひとに会わない部分での撮影を進めていました。具体的には夜の樹木の撮影や、街の撮影です。深夜ということもあり、人が観光地でも殆どいなかったのが印象的でした。室内では手製本の制作、目下のプロジェクトのリサーチ、今まで撮影した写真の整理や動画の制作、今後の撮影に必要な機材を調べていました。
【質問2】新型コロナウイルス蔓延下の自粛期間中はどのように過ごされていましたか?
【回答】コロナ禍の基本的な過ごし方は、先の撮影以外だと昼過ぎ前に起床し、朝ごはんを食べ、コーヒーを必ず飲むようにしていました。そして、14時くらいから夕方まではデスクワークをし、日が暮れたら近所にランニングに行っていました。ランニングに行けない日は筋トレだけで済まし、その後は炭水化物を抜かした夕食。夕食後はデスクワークを深夜過ぎまで行っていました。自粛中で太る可能性があったので食生活は気を付けていました。
普段はけっこう乱れた生活を送っていたのですが、コロナで家にいることが多かった分、体力を維持することを重点に置き、出来るだけ規則正しい生活を送るようにいていました。その他では雑誌等の仕事で夜の街関連の撮影を時々、行っていました。
【質問3】現在取り組んでいるプロジェクトについて教えてください。
【回答】現在取り組んでいるプロジェクトは東京大空襲時に被爆した、「戦災樹木」と呼ばれる木についての考察を実験等を含めて進めています。1945年3月10日の深夜から未明にかけて行われた、わずか4時間足らずの空襲は10万人の死者をもたらす結果となりました。戦後75年を迎え、当時を知る空襲経験者が減っていく中、ひっそりと街に佇む戦災樹木の存在は殆ど知られていません。今回は戦災樹木自体の生体や、樹木が存在する周りの環境、具体的には空爆を受けた場所と空襲経験者、そしてそれらに纏わる空襲のエピソードを絡めたプロジェクトとして全体像を模索しています。
木村肇 | プロフィール
1982年、千葉県生まれ。 2006年よりフリーランスとして活動。2016年から18年まで文化庁海外研修員、ポーラ財団海外研修員として ドイツとセルビアでプロジェクトを制作。2019年10月に写真集「Snowflakes Dog Man」がイタリアのCEIBA editionsより、2020年4月に91部の手製写真集「MIŠO BUKUMIROVIĆ」がReminders Photography Strongholdより刊行された。タイム、ニューズウィーク、ルモンド等にも写真を寄稿している。
https://www.hajimekimura.net