【ぐるぐるができるまで① 始まりの始まり】 松村和彦

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6月4日に始まるぐるぐるの写真展写真集の販売を控え、松村和彦が完成までの道のりを連作エッセイで綴ります。第1回はこちら

「長かった」。6月4日の自作本の出版と写真展の開幕を前に、これまでを思い出している。気がつけば取り組み始めてから2年近くたっている。壁の連続だった日々を振り返ることで、写真集に込めた思いをつづりたい。それに、失敗談の数々は写真集作りに興味がある人の役にたつかもしれない。
制作ノートをめくってみる。始まりは2013年にRPSであったビクター・シラさんと川崎詩織さんの写真集作りのワークショップだった。別の写真集をつくるために参加したが、これまで自分が撮った写真を並べる「アトラス」作りにも取り組んだ。自分のアーカイブのなかから気になる写真を選んで、簡単なダミーブックを仕上げた。日常生活のスナップや息子の誕生などいろいろな写真を入れたが、全然違う場所や人を撮っているのに似た雰囲気を醸す写真があることに気付いた。それは「はかなさ」や「時の移ろい」、「生と死」を連想させるものだった。「そうした感覚は写真からちゃんと伝わってくる」。アトラスを見たビクターさんにそう言われたことが嬉しかった。「自分が感じているこのあやふやな感覚は写真を通じて人に伝わる」。おぼろげながら「ぐるぐる」が始まった瞬間だった。

こうしたエッセイも含む写真展に関する情報はフェイスブックで随時更新しています。
https://www.facebook.com/events/1192223927457093/

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ぐるぐるにつながるイメージが含まれている

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と思うとストリートフォトのようなものも。

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数ページ後にはまたぐるぐるっぽい画像が。この画像もぐるぐるで使った