アナ・ロレンテ、アーティストブック「Archives [0] ベル・エポック期:女性の犯罪化に関する断片的な調査」ご注文受付中

この度、第22回Reminders Photography Strongholdグラントを受賞したアナ・ロレンテによる写真展「Archives [0] ベル・エポック期:女性の犯罪化に関する断片的な調査」のアーティストブックの販売を開始いたします。この作品はアナ・ロレンテがRPS写真集制作マスタークラスに参加し取り組み、2023年3月の展示会期中に内容をアップデートし、印刷から製本までを本人が手掛け完成させたアーティストブックとなります。本に収録された14件の調査に因み、エディションは14部となっています。

 

 

 

 


レオノール、フェリサ、マリアナ、アンパロ、アントニア、ヴィクトリーナ、フランシスカ、エンリケタ、トマサ…、それは19世紀末から20世紀初頭のベル・エポック時代にスペインの新聞に載った女性たちの名前。彼女たちは、不服従、堕胎、売春、想定される出産、姦通、誘拐、魔術などの罪で告発され、その告発を裏付ける証拠を探すために、定期的に身体検査が行われた。警察署、自宅、刑務所の独房、死体安置所などで、警察官、鑑識、婦人科医、解剖学者が、女性犯罪者とされる人々の身体的な兆候を探した。

19世紀末『女性の問題』は科学、哲学、医学の議論の中心を占め、スペイン社会や家族の中で女性があるべき地位や、女性の権利と義務の定義に関心が向けられた。フェミニスト運動の高まりと女性の自立を擁護する思想の広がりに伴い、女性の役割に関する議論は活発になる。著しく反フェミニスト的な性格を持つ「証拠」に支えられた議論を再定義することに大きな関心が寄せられ、科学分野では、さまざまな科学的方法論によって定義された解剖学に基づき、女性の劣等性を謳う古典的考えが指示された。

この作品は、20世紀初頭に「身元確認」や「隔離システム」の名の下、告発された女性の物語を軸に語られる。報道機関や博物館の、いずれも過去を保存するための意味合いを持つアーカイブがリサーチのための重要な情報源となった。そこには空白と沈黙で作られたいくつもの物語が存在していると同時に、100年以上前に広まった、犯罪行為を特徴づける科学的・医学的言説の証拠が詰まっていた。

Archives [0] A fragmentary inquiry on female criminalization during the Belle Époqueはベル・エポック期における女性の犯罪化に関する断片的な調査であり、一人一人の女性の物語を通し、物語、現実、フィクションの間の、人間の本質の端緒が現れるような不穏な関係を探る作品である。我々が支配的な女性蔑視の思想によって、どのような影響を受けてきたかを、彼女たちの存在が映し出している。もし私が130年前に生きていたら、彼女たちのようになれただろうか……。

このプロジェクトは、以下の協力により実現しました。
オラビデ美術館(マドリッド)、科学・医学歴史研究所(バレンシア)、王立産婦人科学会(ロンドン)、犯罪人類学博物館(トリノ)、ハビエル・プエルタ解剖学博物館(マドリッド)、カタルーニャ医学史博物館、ホセ・マリア・アマット・アメール解剖学博物館(エルダ)、ペルケリア・ラフェル・パジェス博物館およびフレデリック・マレス博物館(バルセロナ)

アナ・ロレンテ

●「Archives [0] ベル・エポック期:女性の犯罪化に関する断片的な調査」
●サイズ ‏ : ‎ 176mm x 250mm、240ページ、他、3冊のブックレット、アーカイブイメージ2点、新聞のレプリカ2ページ付録。
●言語:スペイン語、英語(日本語の小冊子付き、ただし、全テキストの翻訳がされている訳ではありません)
●価格:23,100円(消費税込み)別途送料についてはこちらを御覧ください。
●エディション数:14、全て作家直筆のエディション番号と署名入り
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