トマス・ラズニー写真集「Erna Helena Anja」販売終了
RPS特典の限定数に達したため、販売を終了しました。
トマス・ラズニー写真集「Erna Helena Anja」を部数限定、RPS特典付きにてお取り扱いを開始いたします。本作は2019年に開催した写真集制作ワークショップ「Photobook Masterclass」にて発展、2020 BUP Book Awardにてグランプリを受賞し、BLOW UP PRESSより普及版が刊行される運びとなりました。
本作の作家トマス・ラズニーは第21回Reminders Photography Strongholdグラントを受賞しており、7月30日からはRPSギャラリーにて受賞写真展を開催いたします。写真展の開催を記念してRPS特典付きにて8部限定でお取り扱いを行うことになりました。作家の来日、在廊も予定しております、写真展とともにぜひご期待ください。
「Erna Helena Anja」
アイデンティティ、家族、そして国を失ったあなたは誰なのだろう?
海外で何年も過ごした後、私は自分のルーツであるポーランドを探索したくなった。私にとってポーランドは子供時代、そしてそのほとんどを祖母の家で過ごした幸せな日々の記憶である。しかし、ポーランドは第二次世界大戦の辛い出来事と一体になった祖母の物語でもあり、今でもそれは暗い影を落としている。それは次世代へと受け継がれる遺産の一部でもある。
第二次大戦前、ドイツ人だった私の祖母はポーランドとドイツの国境に住んでいた。大戦の終わり近く、彼女はポーランド人男性と恋に落ちた。それは禁じられた恋だった。もしそれが知られたら、二人とも殺されるかもしれなかった。さらに祖母は妊娠したが、それを隠していた。
戦後、祖母はドイツ人収容所に投獄された。彼女は私の母を産んだが、その劣悪な状態のなか自ら育てることができず、人に託すほかなかった。重要な政治家たちの決定により、第二次大戦後にヨーロッパの国境は変えられ、ドイツ人のほとんどは追放された(歴史上最大の強制移民)。娘との再会の望みから、祖母はその土地への残留を決意したが、ポーランド国籍を得る必要があった。元ドイツ人としてのポーランドでの生活は大変厳しいものだった。祖母は罪悪と第二次大戦中にポーランドで起こったことの記憶の影の中で生きた。彼女の家族はすべて追放され、娘と再会できるまで長い年月が経った。
私の祖母の物語は、衝撃的な歴史上の出来事に直面したことによるアイデンティティ、家族、そして国の喪失についてのストーリーだ。戦後のナチズムの影の中、多くの人々と国がそれぞれのアイデンティティを見出す苦悩的状況を描いている。皮肉にも、祖母のストーリーは私自身のストーリーと類似するところがある。長年海外に住みながら、私は断絶と孤立、新しいアイデンティティを見出す苦しみを体験した。そしてほぼ3年間会っていない我が娘の不在の物語でもある。
トマス・ラズニー
トマス・ラズニー写真集「Erna Helena Anja」
●版元:BLOW UP PRESS
●サイズ : 155×225 mm
●言語:英語
●価格:8,525円(消費税込、送料込みクリックポストでのお届けになります。)RPS特典の限定数に達したため、販売を終了しました。
※2冊以上の場合には宅急便のお届けとなり、送料が異なります。
●特典:サイアノタイプ(青写真)スペシャルプリント(8部のみ、それぞれ絵柄が違いますが、絵柄の選択はできません)
画像、動画提供:BLOW UP PRESS