カーティス・ハミルトン インタビュー

優れた一連のアーティストブックをつくるには一冊ずつ、一ページずつ、一画像ずつ丁寧に築き上げなければいけません。編集し直したり、レイアウトを変えてみたり、何週間、何ヶ月、何年も放っておいたり、ページを差し替えてはまた戻してみたり、とまるでそこに含まれる全てのアイディアを一つずつ審理にかけるかのように。ここでご紹介するカーティス・ハミルトンはそうやってここ数年アーティストブックを作ってきました。だからこそ彼は使う素材からテーマにかけて今の時代にとても敏感な作品を生み出す事ができるのです。


curtis_01

-カーティスにとってのスタジオ/アトリエとは何ですか
スタジオはアイディアやイメージ、モノを持ってかえる場所ですね。一時的とはいえニュートラルになれる場所。退屈と創作が平等な価値をもち、作品が自由に形を変えたり失敗したりできるところです。

IMG_1009_1

-なぜ本を作るのですか

本作りは物理的にも概念的にも、僕にとっての付加プロセスです。たった一枚の写真や組み写真よりもはるかに作品の幅を広げるチャレンジというか。元あるアイディアがより感覚的で明確なところへ展開するように実務的な部分(製作手段や、サイズ、紙の種類、製本の仕方など)をひねって作品にするのが好きですね。

IMG_6130_1

-カーティスの作品たちに共通する事は何ですか。
僕のアーティストブックはとても実験的なのでプロジェクトごとに違ってよく驚かされます。その中でもペーソスのようなものがすべての作品の根底にあると思います。日々の絶望や汚染からくり返し感じる物事に触れ、それぞれ扱う素材の欠陥と儚さをそのまま表現しています。いま考えてみると、僕が作るほとんどの本はある場所をテーマにしたものやアーカイブ写真を使ったものが多い気がします。特にそうしようと意識していたわけではないですが。ゴワナス運河にせよイエローページにせよすでに周知の題材の表現方法として多層で広範な「本」を媒体に選んだのは今となって一番理にかなっているではないか、と思います。

IMG_1031_1

 

-本作りをしている時どのタイミングで完成だと決めますか。
本によって違いますね。1ヶ月で仕上がる本もあれば一年以上かかるものもあります。プロジェクトによってはどう形にするか決まるまで放っておくものもあります。
僕の本が果たして完成しているのかは定かではありません。僕にとって一番満足のいく状態は、少し不安定で疑問を残し新しいアイディアを投げかけてくれるような本なので。

「ブック・ダミー・プレス」ワークショップ 追加募集決定!締め切りは12/17です!