第二回RPSウォールグラント受賞者MAJID SAEEDI

選考の結果、第二回RPSウォールグラント受賞者はイラン人の写真家Majid Saeediに決まりました。おめでとうございます!!7月に写真展を行う予定です、詳細は間もなくお伝えします!

2ND RPS WALL GRANTEE ©MAJID SAEEDI

2ND RPS WALL GRANTEE ©MAJID SAEEDI

2013年春の応募に寄せられた30を超す作品に対して、Svetlana Bachevanova、Marc Prüst、Manik Katyal、Eliseo Barbàraが厳正な審査を行ないました。

Majid Saeediの取り組んだプロジェクトは“アフガニスタンにおける戦争犠牲者の記録”です。歴史を通して考えてみると、人類の偉業と技術の進歩によって、かつては単純で有り触れた病のために落としていた命を救うことができるようになりました。しかしながら、ある種の進歩と功績は、多くの人間の命を脅かし、奪うことのできる破滅的な武器を産み出し、我々人類に対して間違った使われ方をされています。人間がこの地球に生まれて以来、人類の功績の歴史は続いているのです。

虐殺に使用するための武器は非常に高性能で、それを使って世界中のどんな場所でも破壊する準備が整った多くの化学兵器や核兵器が、数多く存在します。この世界の中で、人類とは思いやりを持ちながらも、最も残酷な生き物だと言えるでしょう。アフガニスタンは50年前から戦争を行っています。それは、時には攻撃を行ってきた国々を相手にしたものであり、そして時には内戦でした。1833年、ヘルマンド渓谷の南側で、アフガニスタンとイギリスの間に最初の戦争が起きると、その後、ソビエトとアフガニスタンの間で、また内戦へと戦争は続いていきました。国際的にも国内的にも、アフガニスタン人は戦争と流血を経験してきた人々なのです。アフガニスタン人が先進国と協力しながら過激派組織であるタリバンとの戦争を続けて、もう10年以上。残念なことに、戦争の傷跡は日増しに目に見えて大きくなっているのです。

2ND RPS WALL GRANTEE ©MAJID SAEEDI

2ND RPS WALL GRANTEE ©MAJID SAEEDI

IMG_6944---E2sMajid Saeediの経歴

Majid Saeediはイラン人のドキュメンタリーフォトグラファー。人道的な側面に着目した作品を20年以上に渡り、中東で撮影している。これまで語られることのなかった社会的問題や社会的正義のストーリーを、写真を通して伝えることに強い関心を寄せている。テヘランで生まれ育ち、16歳で写真を始め、18歳のときにイランとイラクの国境線へ難民の写真を撮りに行った。

イランの様々な報道関係の写真部と仕事を行い、多くの主要なプロジェクトを担ってきた。市民とその普段の生活を写し出すストリートフォトグラフィーに関心がある。撮影以外の時間には、学生への写真の教授や、若い写真家への指導も好んで行っている。

数多くの有名な賞を世界中で受賞し、過去8年間、イランのベストフォトグラファーに選ばれ続けている。作品は、国際的な出版物であるTimes、Spiegel、Life、New York Times、Washington Post、Washington Times、Time Magazine、様々な中東の出版社、オンラインの出版物で扱われている。中東の多くの国々を旅し、非人道的な行為や不正を写真に収めてきた。最近の作品ではアフガニスタンにおける地雷の犠牲者を捉えている。

近年受賞した2012年度 R.F. Kennedy アワード、2011年度 US Lucie アワード、2010年度 UNICEF アワード,、2011年度・2013年度 China International Press Awardの最優秀賞、 2010年度 Henri Nannen アワード、2013 World press photo WPPなど、多くの賞に選ばれている。

翻訳:川上紀子