写真家と写真集を”プレビュー”する日：Böhm/Kobayashi カティア・ストゥーケとオリバー・ジーバー
先日図書室にも来てくれたBöhm/Kobayashiことカティア・ストゥーケとオリバー・ジーバー。写真家、キュレーター、編集者などなど、通常はドイツのドュッセルドルフを拠点に活動をしているお二人。現在日本滞在中で、先日はとても楽しい時間をここで過ごしましたが、折角なのでお二人が滞在中に本に関する企画が出来ないかと思い、お声がけしたところ快く引き受けて下さいました。
というわけで、久々の「写真家と写真集をレビューする日」開催となります。ですが、今回は今まさに最終制作段階に入ってる本「You and Me」（戦争難民のボスニア人女性が各国を転々と移り住んだ軌跡を辿ったドキュメンタリー）のダミーを取り上げます（なのでプレビューする日となります）。このダミーは昨年のアルルのダミーブックアワード（LUMA Dummy Book Award 2017）受賞作で、今年7月にアルルで刊行されることになっています。図書室にはこのプロジェクトをするにあたり彼らがまとめてたダイアリーがあり、このダイアリーそのものは10部だけつくられました。
今回は、ほぼこれが最終形という刊行前のダミーを携え、プロジェクトの始まりから、ダミーづくり、そこから受賞し本が作られていく流れまでをお話しして頂きたいと思います。
とくに、本編以外でも、一つのプロジェクトを継続していくなかで遭遇した事実や考察など、その対象自体を理解するのに必要な記録をまとめてダイアリーなどの形にし、それを他者とも共有することなど。いかにして独自の解釈や表現手段を獲得していくのかというインスピレーションが得られることと思います。是非、この貴重な機会にご参加下さい。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
イベント前の告知などはフェースブック上でしていきます。こちらもあわせてチェックしてください。
◎写真家と写真集を「プレビュー」する日「Böhm/Kobayashi カティア・ストゥーケとオリバー・ジーバー」
日時：2017年4月29日（土曜日、祝日）午後5時から7時頃まで。
トークは60分から90分程度を予定しております、終了後は気軽に質疑応答や歓談の場としてお過ごしください。終電時まで会場はオープン致します。
会場：reminders photography stronghold
参加費：500円（RPSメンバーズカードをお持ちの方は無料）
参加申し込み不要（先着順でご着席となります。定員は30名程度ですので、お席がない場合は立席でもご参加いただけます。）
ゲスト写真家：Böhm/Kobayashi カティア・ストゥーケとオリバー・ジーバー
司会進行：STRONGHOLD GALLERYキュレーター・後藤由美
※当日英語⇔日本語通訳のお手伝いが可能という方は是非ご協力下さい。お願いします！
※敬称略
◎アーティスト紹介：
「ボーム/コバヤシとして活動するカーチャ・シュトゥケとオリヴァー・ズィーバーは、フォトグラファー、アーティスト、キュレーター、エキシビション企画者、デザイナー、アートブック編集者など、多くの顔を持っている。彼らが写真の宇宙の中を進んでいくとき、どこで一つのアイデンティティが別のそれへと変わるのかを見極めるのは困難だ。それにも関わらず、アーティストおよびアートのオーガナイザーとしての彼らの作品と活動において、彼らは長らくの間特殊な写真カルチャーのモデレーターとなっている。」（フロリアン・エブナー、2011）
カーチャ・シュトゥケ（1968年生まれ）とオリヴァー・ズィーバー（1966年生まれ）は、ドイツのデュッセルドルフに在住、活動している。最近では、彼らの作品はボン美術館、バルセロナ写真財団、CCCBバルセロナ、フォトグラフィア・ヨーロッパ・レッジョ・エミリア、シカゴ現代写真美術館、タンプル・パリ、キョートグラフィーなどで展示された。彼らは、東京、パリ、シカゴ、ロッテルダム、ロサンゼルス、大阪、トロントなどのレジデンシーで制作を行った。ドルトムント応用科学大学（ドイツ）で授業を担当しており、これまでにブレーメン、マドリード、ウィーン、イエール大学、シカゴなどでワークショップを行った。
2014年にオリヴァーの「Imaginary Club」は、アパチャー・パリ・フォトにおいて「ブック・オブ・ザ・イヤー賞」を授賞した。2016年、カーチャ・シュトゥケ＆オリヴァー・ズィーバーのプロジェクト「You and Me」は、LUMAダミーブック賞を授賞し、今年の夏にSpector Booksより刊行される。「彼らの『You and Me, A project between Bosnia, Germany and the US』は、場所からの排除、バルカン戦争、移民、アイデンティティ、ドイツ、アメリカ、宗教などに関わる深く複雑な作品である。しかし、これはある女性の物語でもあり、彼女の人生は私達をこの重要で切迫したトピックの中で導いてくれる。このダミーブックは野心的で、大変うまく構成されており、切実で感動的だ。傑作になるためのあらゆる要素を持っている。」（審査員エリザ・メッデ、アムステルダム写真美術館）
翻訳協力：奥山美由紀