写真家と写真集をレビューする日「ANNA FOX」4/2開催!
RPSは東京のスペースだけでなく、海外のフォトフェスティバルなどにも積極的に関わって活動をしています。
今年2月に第一回目が開催されたTravel Photo Jaipurに招かれたご縁が出会いのきっかけになった写真家Anna Foxさんが来日することになり、急遽、写真家と写真集をレビューする日を開催する運びとなりました。通常はイギリスを拠点に活動をされていますが、これまで出されている写真集もなかなか入手困難なものばかり。先行してこれまでの仕事がまとめられた本が届きましたが、当日は写真集に関する経験などを交えてお話しを聞いていきたいと思います。皆様のお越しをお待ちしております。
彼女から寄せられたイベントのためのステートメントがこちらです。
写真集が素晴らしい理由、それは展覧会よりもはるかに多い人々に作品を見てもらえるということです。写真集はモノとして存在し、はっと息をのむほど美しいか、またはひどく不格好にも作ることができるし、かたちを持ったものとして長く見てもらえることができます。私は写真集が大好きですし、デザイナー、編集者や出版社とのコラボレーションを通して自分の本を作り上げていくことに、大きな喜びを感じています。写真集が持っている空間というものは、展示スペースとは全く異なるものです。写真集ではある意味物語を違ったかたちで展開させることができますし、読んでくれる人に寄り添うような、より親密な時間をもたらすこともできます。展覧会で語られる物語よりも、ずっとささやかなものです。これまでに出版した私の本はそれぞれ全く違うものです。作品が読者に語りかけるために、写真集の形やデザインはとても大切な要素です。展示会で見せるよりもより長くこまやかな物語を、写真集は語ることができます。要は展覧会と写真集は全く違うもの。私は写真集の制作にはいつも携わるようにしています。写真集の制作にはデザイナーが大きな役割を果たしてくれますが、私はデザイナーが作品をどのように解釈するかを見たいのです。あと印刷所の職人さんたちと作業するのも楽しいですし。印刷所で紙に色が刷られて、何百枚もロケットみたいに印刷機から飛び出してくるのを見るのが、大好きなんです。(写真家:Anna Fox、日本語訳文責:鬼頭志帆)
※実はこのステートメント、火事になったら持ち出す本が締めくくりに書かれているんですが、それは当日会場にてお話し頂きます。
写真家と写真集をレビューする日「ANNA FOX」
日時:2016年4月2日(土)午後4時から6時頃まで。終了後は歓談の場としてお過ごしください。
会場:reminders photography stronghold
参加費:無料、参加申し込み不要(定員は30名程度ですので、お席がない場合は立席でもご参加いただけます。)
ゲスト写真家:Anna Fox
当日通訳:鬼頭志帆
※敬称略
司会:STRONGHOLD GALLERYキュレーター・後藤由美
イベント内容の更新は随時Facebookページでもご案内していきます。
ゲストプロフィール:
アナ・フォックス(b.1961)は、ここ25年間で非常に高く評価されているイギリスの写真家の一人であり、ユニバーシティ・フォー・ザ・クリエイティブアーツ(英国・ファーナム)写真科教授である。マーガレット・サッチャー時代の英国のオフィスを撮影した「ワークステーション:ロンドンのオフィスライフ」(1988)にて注目を集め、オランダのクリスマスの伝統である黒人を模した装いとその表象を探るポートレイト作品「ズワルテ・ピート」(1993-98)シリーズで高い評価を得た。その他英国の田舎に暮らす女性たちを撮影した「ヴィレッジ」(1992年)、カラーボールを使ったスポーツ競技を報道写真風に撮影した「フレンドリー・ファイア」、作家ヴァル・ウィリアムズとのマルチメディア・コラボレーション作品などがある。近年「ゴキブリ日記と母の食器棚と父の言葉」(2000)を限定版の豆本として発行し、2007年には写真集「アナ・フォックス: 1983-2007」がPhotoWorksより出版された。英国内外で精力的に展示を行い、とりわけフォトグラファーズ・ギャラリー(ロンドン)やシカゴ現代写真美術館での個展や、テート・モダン、テート・リバプール、テート・ブリテンでのグループ展などにも参加している。2010年ドイツ証券取引所写真賞と2012年ピラール・シトレー国際写真賞にノミネートされている。(日本語訳文責:鬼頭志帆)