9月18日午後7時半〜：写真家と写真集をレビューする日：奥山美由紀「Dear Japanese」

08/17/2017

2015年度のハンドメイド・フォトブック・ワークショップ「Staples and stitches」（講師：Jan Rosseel、後藤由美）で製作されたオランダ在住の写真家、奥山美由紀の写真集「Dear Japanese」が、昨年イタリアの国際フォトフェスティバル、Cortona On The Moveにてダミーブック賞を受賞しました。この受賞を受け、2017年度のフェスティバルにより普及版が製作・ローンチされました。奥山美由紀の帰国に合わせ、写真家と写真集をレビューする日を開催します。

「Dear Japanese」は、奥山にとって初めてのドキュメンタリープロジェクト、ポートレートシリーズ、そして自作の写真集でした。オランダ在住の日本人である奥山が、どのようにこの「個人的な視点から撮影したドキュメンタリー」プロジェクトを発展させ、写真集という形で完結させたのか、また写真集製作の経験が撮影とプレゼンテーションの手法に与えた影響などを、スライド・プロジェクションを交えつつ語ります。当日は、2015年に製作された手製本と先日完成したばかりの普及版、どちらも会場にてご覧になれます。普及版にリソプリントのA3サイズ特製ポスター2枚を付けたRPSエディションの販売も行います。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
奥山美由紀写真集「DEAR JAPANESE」CORTONA ON THE MOVE版、RPS特典付き（50部限定、先着順）

◎写真家と写真集をレビューする日：奥山美由紀「Dear Japanese」
◎日時：2017年9月18 日（祝日、月）午後7時半〜9時頃まで。
◎トークは60分から90分程度を予定しております。終了後は気軽に質疑応答や歓談の場としてお過ごしください。終電時まで会場はオープン致します。
◎会場：Reminders Photography Stronghold
◎参加費：無料
◎参加申し込み不要（先着順でご着席となります。定員は30名程度ですので、お席がない場合は立席でもご参加いただけます。）
ゲスト写真家：奥山美由紀
司会進行：STRONGHOLD GALLERYキュレーター・後藤由美
※敬称略

©YUMI GOTO / REMINDERS PHOTOGRAPHY STRONGHOLD

「Dear Japanese」について：
太平洋戦争中、３年半に渡る日本軍占領下の旧オランダ領東インド（現在のインドネシア）では、日本人軍人・軍属・民間人とオランダ系インドネシア女性たちの間に多くの子どもが生まれた。戦後のオランダへの引揚げ後も、彼らは敵の子として難しい子ども時代を過ごし、今でも日本人の実父を捜す人びともいる。「Dear Japanese」は、オランダ在住の日本人写真家としての個人的な視点から撮影された、戦争で生まれた日系オランダ人たちのドキュメンタリーである。

ポートレートの中で、日系オランダ人たちはレンズの向こうから私たちをまっすぐに見つめている。彼らの視線は、自分たちは誰なのか、と問いかけている。オランダ人には彼らの顔はオランダ人に見えないかもしれない。一方、日本人の目に彼らは自分たちとよく似ていると映るであろう。また、ありふれたオランダの風景は写真家自身や日系オランダ人たちにとって、見慣れない景色だったであろう。これは、日本からオランダへの移民としての個人的な視点から撮影された、海外の同国人の主観的なドキュメンタリーである。写真家と被写体たちは、日本人としての誇り、また疎外感や罪悪感などを共有することになった。

写真家　奥山美由紀について：
山形県出身、オランダ在住。奥山美由紀の写真作品の多くは、自身のアイデンティティとルーツ、そして移住後の新しい環境への反応からインスパイアされている。２０１２年から取り組んだドキュメンタリー「Dear Japanese」もやはり、移住先のオランダでの「日本人」たちとの出会いからスタートした。この作品への取り組みと同時に、在オランダの日本人たちと財団SOOの立ち上げに関わり、日系オランダ人の肉親捜索・対面事業を始めとする、民間サイドからの日蘭戦後和解を目指す活動も行っている。

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