第11回RPSグラント受賞写真家Zhao Qian写真展「Offcut, the edge」開催
Reminders Photography Strongholdは、第11回RPSグラントを受賞した写真家Zhao Qianを迎え、写真展「Offcut, the edge」を開催いたします。
日常生活の中で見落とされてしまっている、都市の破片を集めている。自然や人類によって構築された要素の数々、とりわけ生命の退化や腐敗の痕跡という驚異を拡張させているのだ。それらの要素は視界の周辺や、ちょっとした隙間に存在している。私がえぐりたいものは、ただそこにある都会の日常風景や、それらが与えられた役割を超越したもの。言い換えれば、私達がいとも容易く見落としてしまう、ありふれた日常風景に活力を注ぎ込む作業でもある。機能面にばかり重きを置く都会の日常生活から、視点や想像力を解き放つための挑戦でもあるのだ。
私が上海からサンフランシスコに飛んだのは2014年8月11日のことだった。それは15000キロを超える移動であり、辿り着くまでに10時間50分間を費やした。上海とサンフランシスコには15時間の時差があり、それに慣れるのに三日間はかかったであろう。少なくとも一日10時間は寝ていたのではないだろうか。
この作品の基礎となるものは、そんな私自身の新たなる土地における日常生活と想像力である。私は、今暮らしている都市からは一定の精神的な距離を置くことを努めている。そうすることで街の名所やショッピングモールなどを含めた地域の印象は、非現実的な架空都市へと成り代わった。その風景はあたかも、現実空間を記憶の結合という手順により変質させた、おとぎ話の都市。人々はまるで霧の中から姿を表すかの様だ。微妙にねじの外れたそれらの風景は、異常だが興味深い世界へと私をいざなう。何よりもこれらの写真は鑑賞者に、再度観ること、近寄ること、そして他の側面から見た世界にはいったい何が存在しているのか知りたいと欲することを強要しているのではないだろうか。
(日本語訳文責:藤元敬二)
会期 2016年8月12日(金)〜 8月27日(土)
午後1時〜午後7時(会期中無休)
展示会期は8/12からとなりますが、オープニングレセプションやアーティストトークは予定されておりません。展示は午後1時からご覧いただけます。
また会期中の土日にはワークショップが開催されますが、展示は通常通りご覧いただけます。
クロージングレセプションおよびアーティストトーク:8月27日(土)午後4時頃〜
8/27土曜日にクロージングレセプションを予定。午後4時からワークショップアトラスラボ参加者らによる成果発表展、その後写真家によるアーティストトーク、クロージングレセプションという流れを計画しております。
会場 Reminders Photography Strongholdギャラリー
東京都墨田区東向島2-38-5
入場料無料
写真家プロフィール:
中国生まれ、サンフランシスコ在住の写真家であり芸術家。これまでにMuseum of Contemporary Art of Rome, Ogden Museum of Southern Art, Today Art Museum
and Dalian Art Museumなどを含む、アメリカやオランダ、イタリア、ノルウェー、オーストラリア、中国やスイスなど、世界各国の美術館やギャラリーなどで展示をする。その他、”LensCulture” “Gup Magazine” “Fraction Magazine” “Invisible Photographer Asia” “YET magazine” “Aint-Bad” “paper journal”や”This Is Paper”などの媒体でも、その作品を発表している。2016年、プロジェクト“Offcut, the edge”が第11回Reminders Photography Stronghold Grantに選ばれた。
http://www.zhaoqian.co/
グラントについて
RPS に企画展を提案して頂き、 RPS 審査委員会の審査を通過された方に、RPS ギャラリースペースを5 日以上(最高20 日まで) 無償でご利用いただけます。 対象: 写真家、キュレーター、ギャラリスト、ほか。更なる詳細はこちら→ https://reminders-project.org/rps/grantjp/