2019年度Photobook Masterclass関連イベント開催:公開プレゼンテーション・公開講義

オランダからトゥーン・ファン・デル・ハイデン、サンドラ・ファン・デル・ドゥーレンを迎え実施される写真集制作ワークショップ「Photobook Masterclass」の関連イベントとして、公開講義を行います。今回は恒例の公開講義のみならず、ダミー賞の受賞者、またこれからアーティストブックや普及版の刊行を控えた、これまでにマスタークラスに参加し本を発展させた作家による公開プレゼンテーションも開催することとなりました。

公開プレゼンテーションにはLUMA Rencontres Dummy Book Award 2019でグランプリを受賞した「The Poverty Line」の作家ステフェン・チョウ。昨年度に引き続きワークショップに参加、最新作「Haddon Hall 」でFUAM ダミーアワードにて受賞およびカッセルダミーアワードで第2位を受賞したナオミ・ハリス。同様に昨年ワークショップに参加し、UNSEENダミー賞では最終選考に作品が残った後藤勝。11月3日からは写真展「悔恨への執念」の開催とアーティストブックの制作が控えています。そして2015年度のワークショップ参加者であり、この度CEIBA editionsより写真集「Snowflakes Dog Man」を刊行、12月にはRPSでの写真展も開催する木村肇。計4名の写真家に写真集制作のプロセスを重視したプレゼンテーションをしていただきます。

また公開講義ではワークショップの講師を務めるトゥーン・ファン・デル・ハイデンが、これまでに作ってきた本を中心に公開型の講義としてお話いただきます。
みなさまの積極的なご参加をお待ちしております。

◎日程:2019年10月26日(土) 開場:午後2時45分
◎Part1:午後3時〜 公開プレゼンテーション
登壇者:後藤勝、ナオミ・ハリス、木村肇

休憩(およそ1時間ほど)

◎Part2:午後6時〜 公開プレゼンテーションおよび公開講義
登壇者:ステフェン・チョウ、トゥーン・ファン・デル・ハイデン
◎会場 Reminders Photography Stronghold
東京都墨田区東向島2-38-5
(東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩6分・京成曳舟駅より徒歩5分)
◎参加費:1,000円(RPSメンバーは無料。)

Facebook等でも更なる詳細を投稿をしていきますので、ぜひご覧ください。

登壇者プロフィール:
◉Stefen Chow & Lin | ステフェン・チョウ & リン
チョウ&リン(1980年)はマレーシア/シンガポール出身で現在は中国北京を拠点にしている。
2009年以降、地球規模問題を提議するため、統計学、数学、アルゴリズム的技法を制作の中で使用するという方法論に重きを置く。
類型的な撮影手法を通して、彼らのプロジェクトは経済、公共政策、マスメディアといった幅広い経験が原動力となり、そしてその分野の専門家たちとの長期間に渡るやり取りによって更に拡張される。
彼らの作品は国連によって言及され、Les Nuits Photographiques Paris、北京フォトビエンナーレ、中国中央美術学院美術館、Gexto Photo(北京)、エルミタージュ美術館、サンクト・ペテルブルグ、シンガポール国立大学博物館、Myanm/artギャラリー、ヤンゴン現代美術館、Galerie Huit(ティビリシ)、アルルで展示された。
「The Poverty Line」はLUMA Rencontres Dummy Book Award 2019でグランプリを受賞し、2020年にはRencontres d’Arlesで展示が開催される。

Arles LUMA DUMMY AWARD / Stefen Chow “The Poverty Line

「The Poverty Line」は、食物という普遍的な視点を通して、もし貧困線(The Poverty Line)で生活したなら直面するだろう日々の選択について考察する。過去8年以上に渡り、アーティストはこの撮影のため36の国々と領土をまたぎ、20万kmを旅した。

このプロジェクトは長い時間を経て、類型学的な方法を取ることになる。それぞれの貧困線の定義と公式な国の統計を基に、各国1人当たりの日給値が算出される。加えて、食物は現地の市場で、土地の通貨を支払い調達する。

時間と地理的な広がりを超えて画一的な美しさを表現するため、当日現地で購入した新聞紙の上に食品を置き、慎重に計測した被写体のサイズと照明によって各写真は撮影される。

©︎Stefen Chow / The Poverty Line

◉Naomi Harris | ナオミ・ハリス
カナダ出身の写真家。これまでに3冊の本を出版し、様々な個展やグループ展を開催してきた。
マイアミビーチのホテルの高齢者住民に関するプロジェクト「Haddon Hall」は2001年にInternational Prize for Young Photojournalismにて最終選考作品に選出された。そして本作品のダミーブックはFuam Dummy Book Award2019を受賞し、2020年にはトルコの出版社MASより刊行が予定されている。また、カッセルダミーアワードでも第2位を受賞、Images Vevey Book Awardでもファイナリストに選出されている。

©︎Naomi Harris / Haddon Hall

◉後藤勝
写真家。1966年生まれ、89年に渡米。中南米を放浪後、南米コロンビアで人権擁護団体と活動。97年からアジアを拠点として、内戦や児童売買、エイズなどの社会問題に関わり、人権団体とのキャンペーンなども世界的に行う。2002年International Fund for Documentary Photography(IFDP)賞、04年上野彦馬賞、世界保健機関(WHO) アジア賞、05年さがみはら写真賞を受賞。12年に東京都墨田区で写真総合施設Reminders Photography Strongholdを設立する。
http://www.masarugoto.com/

©︎Masaru Goto / 悔恨への執念

©︎Masaru Goto / 悔恨への執念

◉木村肇
1982年、千葉県生まれ。
2006年よりフリーランスとして活動。タイム、ニューヨークタイムス、ニューズウィーク、ルモンド、エスクァイア、クーリエ・インターナショナルなどにも写真を寄稿している。2016年から18年まで文化庁海外研修員、ポーラ財団海外研修員としてドイツ在住。2019年10月に写真集「Snowflakes Dog Man」がイタリアのCEIBA editionより刊行される。

©︎Hajime Kimura / Snowflakes Dog Man

◉Teun van der Heijden | トゥーン・ファン・デル・ハイデン
グラフィックデザイナーでありアムステルダムのデザイン事務所Heijdens Karweiの創設者である。
これまでに数々の受賞歴のある写真集を手がけてきた。
また、10年以上にわたりHeijdens Karweiは世界報道写真財団年鑑や写真展のデザインを担当。これまでにトゥーンはデン・ハーグの王立芸術アカデミー、ISSP、ICP、世界報道写真財団でのゲスト講師として教えるなど世界の主要な写真団体、関連組織の教育プログラムにも参加している。
http://www.heijdenskarwei.com/
受賞歴
http://www.heijdenskarwei.com/awards/

講師トゥーンによる公開講義の様子(2018)