緊急公募企画展covid-19パンデミック最優秀賞作家・王露 写真展「いまここ、いまあそこ」9/12~22まで

2020年上半期に起きたコロナ禍は、まさに「時代の節目」を象徴するような出来事になりました。それは、人々に多くの困難をもたらし、目に見えない脅威を恐れ、行き場のない不安に圧迫されて生活することを強いています。
3、4ヶ月で大きく変容した社会の中で、自分自身の立ち位置や、これからの人生設計などをこれまでになく思案される方も少なくないと思います。
Reminders Photography Strongholdではギャラリーオープン後初めて企画展やワークショップ開催延期等を経験しました。世界中でもウイルス感染拡大の防止対策としてギャラリーや美術館が軒並みクローズ、恒例となっていたフォトフェスティバルはキャンセルや延期を余儀なくされ、作品制作、発表を予定されていた方々にとっては二の足を踏まざるを得ない状況だったかと思います。
そんな状況の中、私たちにできることは何なのかを考えました。そして、「COVID-19パンデミック」をテーマに作品作りに取り組む、個人またはグループ(団体)を対象とした企画展公募を行う運びとなりました。

そして8月15日に応募を締め切り、最優秀賞者1名とファイナリスト3名を選出いたしました。
最優秀賞作品は王露さんの「いまここ、いまあそこ」です。そして受賞を記念して9月12日から22日の期間Reminders Photography Strongholdで個展を開催する運びとなりました。ぜひ会期中にお越しください。

またファイナリスト3名の作品展示を10月17日〜25日の期間予定しております。
こちらも併せてご期待ください。

©️王露 / いまここ、いまあそこ

「いまここ、いまあそこ」
コロナの影響で、進行している作品の制作ができなくなった。
そのきっかけで生まれた本作「いまここ、いまあそこ」という作品は、私の故郷と東京が被写体になって、現実と架空の記述を綯い交ぜた物語である。
私は中国の地図を利用し、そこから切りとったイメージと故郷で撮った写真と合わせたり合成したりすることで、故郷に帰る風景を可視化した。
一方で、コロナの爆発で新たな日常が生まれたため、「手を洗う、手を消毒する」という動作は政府、新聞、家族、友達などからよく言われ、非常に頻繁、重要な行為になった。
このようなニューノーマルを一つ視点にし、新しい生活様式を写真によって表現した。
架空の記述は私を連れて故郷に帰り、過去にも戻った。
しかし、新しくできた日常は、いつも私に現実に戻ることを提示している。
王露

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王露 写真展「いまここ、いまあそこ」
◎会期:2020年9月12日(土)〜 22日(火・祝)
13:00~19:00 会期中無休、入場無料

◎Facebookライブ配信アーティストトーク
2020年9月12日(土)午後7時~

◎開催場所:Reminders Photography Stronghold Gallery
住所:東京都墨田区東向島2-38-5
(東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩6分・京成曳舟駅より徒歩5分)

©️王露 / いまここ、いまあそこ

©️王露 / いまここ、いまあそこ

©️王露 / いまここ、いまあそこ

©️王露 / いまここ、いまあそこ

©️王露 / いまここ、いまあそこ

©️王露 / いまここ、いまあそこ

©️王露 / いまここ、いまあそこ

 

プロフィール | 王露(オウロ・WANG LU)
1989年、中国山西省生まれ。武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。現在、東京芸術大学先端芸術表現科在学中。普段気がつかない時間、記憶、日常生活などを可視化し、写真メディアによって、物語や架空的なストーリなどを制作。国内外のギャラリー、美術館で発表を続けている。現在進行している作品「時間の風、そのまま」では、家族の縮図を写すように時間と記憶の可視化を試みている。今回出展するシリーズ「いまここ、いまあそこ」となる作品では現実と架空の記述を織り交ぜたの物語を撮影した。

2019年に第20回写真「1_WALL」ファイナリスト選出、またキャノン写真新世紀佳作、第2回「SHINES 写真家オーディション」を受賞。2020年LensCultureが主催する「Critics’ Choice 2020」にてAperture MagazineのMichael Famighetti氏に選出され、2021年に記念展の開催も予定している。