髙木佑輔 写真集「SPIN」販売中!
只今より髙木佑輔 写真集「SPIN」の販売受付を開始いたします。
髙木は2019年に開催された写真集制作ワークショップ「Photobook Masterclass」に参加し本作に取り組みました。
本作はアルコール依存症が家族に刻み込んだ傷跡を振り返るとともに、世代間連鎖することへの不安に対峙した作品となっております。
アルコールに飲み込まれた父親とその元で暮らした髙木、底知れぬ不安を抱えながらも、その中で見つけた自分自身と向き合い、依存症となった父親の姿から学んだ感情と未来を表現します。
Reminders Photography Strongholdでは本作に関連する写真展を11月3日から23日の期間開催いたします。
尚、期間中は作家が在廊して会場で制作作業を進めています。
ご都合の合う方はぜひお越しください。
「SPIN」
それとは裏腹に私の幼少期の記憶はぽっかりと葬り去られている。
入院後父は、長年にわたるアルコールの多量摂取によって脳が異常に萎縮し、アルコール性認知症に罹患していることが判明した。
アルコール依存症であることを本人は全く理解も認識もできず、帰宅をすると再飲酒の可能性が極めて高いため、入院から8ヶ月ほどで介護付き老人ホームに移動した。
そんなアルコール依存症の父を通して私は、人間の弱さ、人生の悲哀と虚しさ、命の儚さに直面させられた。そんな父を持つ環境で育った私自身の過去を振り返ると、奥底に眠っていた様々な記憶と感情に対峙せざるを得なくなった。
常に満たされない感覚や孤独感、罪悪感、疎外感、理由なき不満と制御不能な感情等々、幼少期に抱えていたのだろう未消化なままの記憶と感情を再体験させられた。
当時自分にとって当たり前だった日常が、世間的には当たり前でないのだということを思い知らされ、驚愕した。
そして何より、それらの記憶と感情に蓋をするために、防衛的・警戒的に振る舞っていた自分を「発見」し、私という存在を突きつけられた。
父を破滅させたアルコールという刃が、親子として血が繋がっている私へと反転した。
そしてその刃が私の息子にも牙を向くのではないかという底知れぬ不安を今私は抱いている。
私も飲みすぎて息子に対して口汚く接したり感情を爆発させてしまうことがある。
私が体験した忌まわしい経験を息子にさせているのではないかと思うとやるせなくなり、連鎖という言葉が亡霊のようにつきまとう。
でも私と息子は連鎖という呪縛から解き放たれるべく、ともに歩んでいきたい。
髙木佑輔 写真集「SPIN」
◎本文:174ページ
◎言語:日英併記
◎サイズ:205mm x 255 mm x 45mm
◎部数:72部
◎写真・編集・印刷・シルクスクリーン: 髙木佑輔
◎価格:15,400円(消費税込、別途送料についてはこちらをご確認下さい)、 全エディション署名入り
制作期間として1ヶ月程度お待ちいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
※尚、10/31まではpaypayのキャンペーン中につき、paypayをご利用でのお支払いをお勧めします。最大30%が戻ってきます。paypayでのお支払いに関するご案内はご注文後の返信メールにて詳しくご案内いたします。
ご連絡がなくお振込、決済の確認が出来ない場合は自動的にキャンセルとさせていただきます。
尚、発送時にはとくにご連絡をいたしません。※宅配便でのお届けとなります。
↓フォームよりご注文ください。
髙木佑輔 写真集「SPIN」見開きページより