トークイベント「千本ノックの夜」 第一夜:ビジュアルストーリテリング 26日午後7時から
RPS京都分室パプロルで開催中の吉田亮人写真展「THE DIALOGUE OF TWO」の初日、オープニングイベントを終えた後、何気なく始まった吉田とキュレーターの後藤由美、分室長の松村和彦の雑談は、次第に写真や視覚的素材をどう使って物語を語り、見る人に伝えるのかに向かっていきました。
写真を撮るとき、展示空間を作るとき、本を制作するとき、それぞれの場面でどんなことができるか。
話は熱を帯びていき、これはもうトークイベントを開いて皆さんともお話しようと盛り上がり、26日午後7時からの開催が決定しました!!
当日は、吉田がいとこと祖母の死にまつわる物語を、展示や写真集で伝えるために用いた表現方法についてお話します。容易には理解できない2人の気持ち、2人に起こった出来事、そして2人の対話を、どうやって表したのか?ダミーブックを作るごとに重ねた模索はとても興味深い足取りでした。
分室長の松村は、現在、認知症の視覚化に取り組んでいます。制作で試みた視覚表現を紹介しつつ、さらにはビジュアルストーリテリングの力をつけようと、RPSのウェブサイトで始まった海外の写真作品を読み解く連載記事「眼光紙背を磨く」。「千本ノックや!!」と、特訓のごとく後藤から出された課題、写真の読み解きは一朝一夕にはならず、けれども、知れば知るほど面白さは深まります。これまでの連載から思わず唸ってしまった表現や手法をご紹介しながら、ビジュアルストーリテリングについて考えたいと思っています。
展示会期も終了間近、写真や視覚素材を使って物語を伝えてみたいとお考えの方から、作家ではないけれど写真の読み解きの一つのあり方を知ってより鑑賞を楽しみたいという方まで、幅広く参加していただけたらと願って開催します。名付けて「千本ノックの夜」。今回が第一夜です。どうぞお気軽にご参加ください。
◎日時:2022年11月26日(土)午後7時から
◎参加費無料 ※事前申し込み不要
※マスクの着用、手洗い、消毒等、感染拡大防止にご協力をお願いいたします。
※会場ではお手洗い(おトイレ)をお使い頂けません。予めご了承下さい。
◎会場:RPS京都分室パプロル
京都市上京区老松町603
地図:https://goo.gl/maps/1V5XyJ4kfuDk91F87
最寄りのバス停:上七軒、または千本今出川
問い合わせ:paperoles@reminders-project.org
登壇者プロフィール:
吉田亮人
1980年宮崎県生まれ。京都市在住。滋賀大学教育学部卒業後、タイで日本語教師として1年間勤務。
帰国後小学校教員として6年間勤務。2010年より写真家として活動開始。
広告や雑誌を中心に活動しながら、「働く人」や「生と死」をテーマに作品制作を行い国内外で高く評価される。
写真集に「Brick Yard」「Tannery」(以上、私家版)、「THE ABSENCE OF TWO」(青幻舎・Editions Xavier Barral)などがある。
2021年、写真家としての10年間の活動を綴った書籍「しゃにむに写真家」(亜紀書房)を刊行。
日経ナショナルジオグラフィック写真賞2015・ピープル部門最優秀賞など受賞多数。
松村 和彦
1980年生まれ。2003年、記者として京都新聞社に入社。05年写真記者となる。
「人生」「社会保障」「ケア」をテーマに作品制作に取り組む。
認知症を長期取材しており、新聞連載や雑誌で記事を掲載するほか、2022年にKG+SELECTで写真展「心の糸」を開催。グランプリに選ばれ、2023年春にKYOTOGRAPHIEでの展示が決まった。
写真集に京都の芸舞妓の人生を描いた「花也」(14年、京都新聞出版センター)と、個人的な作品として取り組み、家族の生と死を通じて命のつながりを描いた「ぐるぐる」(16年、自主制作)がある。前作「見えない虹」は、医師の早川一光さんの人生を通じて日本の社会保障史をたどった。2019年春にKG+で写真展を開催。写真新世紀2021年度で佳作を受賞した。
2022年4月よりRPS京都分室パプロル分室長を務める。
司会進行:後藤由美
Reminders Photography Strongholdキュレーター