第9回「写真家と写真集をレビューする日:高杉記子」2月1日開催!
写真家の高杉記子さんとの出会いは昨年、うちに来られた時に本「Fukushima Samurai – the story of identity」を見せて頂いたときでした。美しい本で、また内容にふさわしい重厚な作りで、是非いつかは図書室に、と思っていました。
それから暫くご無沙汰していましたが、またご連絡を頂き、数冊しかなかったものを、今回、増刷することになり、図書室にご寄贈頂けるとの知らせ、それでは是非、ということで一席。高杉記子さんとの写真家と写真集をレビューする日を2月1日に行うことが決定しました。
是非、お誘いあわせの上、ご参加下さい。
2012年の夏から秋、相馬野馬追前後の時期にかけて約1ヶ月間、福島県南相馬市で、震災前には小高区に住んでいた相馬野馬追の侍たちと過ごした。
侍たちと時間をともにする中で、相馬野馬追は、ただのイベントではなく、彼らのアイデンティティだと感じた。どのように生きるのか、なぜ生きるのか。なぜその土地を離れずに、その仕事を離れずに、その選択肢を選んで生きるのか。ゆるぎないアイデンティティは同時にもろさともなりうる。そしてそれらは決して彼らだけに起こった特別なことではないように思った。
ここに立つ相馬野馬追の侍たちのほとんどは、震災以前、
「野馬追があるから、震災を乗り越えることができている」何回もその言葉を耳にした。
失ってもまだそこにあるもの。
私の生活は、私の日々の中で何が大切かを選んできたものの累積であり、紡がれてきたものだ。いつのまにか、そこに生きる彼らに私は自分を重ねながら写真を撮っていた。
背景
相馬野馬追は、福島県(相馬地方)の伝統文化行事で、この地域の最も重要なお祭りだ。いまだ子孫によって熱意をもって開催されている、国の重要無形民俗文化財だ。500余騎の甲冑騎馬武者が、先祖伝来の旗指し物をなびかせ作り上げる、戦国絵巻のような風景は圧巻だ。
福島県では東日本大震災で約2000人が亡くなったが、その約80%が相馬野馬追の地の人々だという。小高区の沿岸は津波で洗いさらわれ、震災の翌日、原発20km圏内にあった小高区の約13000人の人々は、状況の詳細を知らされないまま、家と土地と仕事を失い、避難を強いられた。
2011年、震災のたった2、3ヶ月後、多くの人命や馬を失い、武具を失った厳しい状況下で、大多数の侍たちは相馬野馬追を決行することに合意し、その1000年以上も続く歴史を未来へつないだ。
日時:2014年2月1日(土)午後4時から
会場:reminders photography stronghold
参加費:1,000円(定員20名程度、RPSメンバー会員は無料、参加費はすべてRPS図書室書籍購入資金にあてさせて頂きます)
司会:STRONGHOLD GALLERYキュレーター・後藤由美、
ゲスト写真家:高杉記子
※稀少本になります。当日は「Fukushima Samurai – the story of identity」(署名入り)の注文受付を予定しております。価格未定(会当日には決定している予定)
参加の申し込みはこちら
↑のフォームがうまく起動しない場合は、メールにて①お名前(フリガナ)②EMAIL③参加希望人数④備考(連絡事項があればお知らせ下さい)と本文にお書き添え頂き、件名を「写真家と写真集をレビューする日:写真家・高杉記子参加希望」としてお申し込み下さい。stronghold@reminders-project.org
高杉記子:東京在住。London College of Communication, University of the Arts London, MA Photojournalism & Documentary Photography卒業。雑誌編集者、パブリシティの仕事を経て、現在ドキュメンタリー写真家として活動中。
・主なメディア掲載:イギリス全国版新聞「Independent 日曜版」、イギリス全国版新聞「Telegraph」、WIRED.com、TIME.com (Lightbox photo blog)、フランス雑誌「Long Cours」など
・主なグループ展:
– 2013年12月「Portrait Salon 2013」、イギリス・ロンドン、ブラッドフォードなど5カ所を巡回
– 2013年7- 2014年3月 「Fukushima Samurai」、Royal Photographic Society156th International Print Exhibition、イギリス・ロンドンなど5カ所を巡回
– 2013年6-12月 「Fukushima Samurai」、ウクライナ国立チェルノブイリ博物館、ウクライナ
– 2013年3月 福島プロジェクト「東北に思いを馳せる」、在英国日本国大使館、ロンドン
– 2013年2月 写真本 「Fukushima Samurai -the story of identity」、E book show、John Hansard Gallery、イギリス・サウサンプトン
– 2013年2月 福島プロジェクト「Reflection- 9人の視点vol.2 」、「Fukushima Samurai -the story of identity」、銘醸館ギャラリー、福島県南相馬市
– 2012年12月 卒業展「It is What it Was” Final Show」、「Fukushima Samurai -the story of identity」、London College of Communication, University of the Arts London in London、ロンドン
– 2012年4月 福島プロジェクト「Reflection- 9人の視点vol.1」、「Sound of creation」、セイロンガーデンギャラリー、福島県会津若松市
– 2005年7月: 「しあわせなとき」、Gallery LE DECO, 東京
・受賞歴
– 2013年8月: Critical Mass 2013, Photolucidaのスカラシップとファイナリスト
– 2013年6月: Royal Photographic Society156th International Print Exhibitionファイナリスト
– 2013年6月: FotoFIlmic’13ファイナリスト
– 2013年4月: Deutsche Bank Award in Photography ノミネート
– 2013年2月: 写真本 “Fukushima Samurai – the story of identity” が E book showに選ばれる
「写真家と写真集をレビューする日」アーカイブ
第八回:ヤナ・ロマノヴァ
第七回:安世鴻
第六回:ジョシュア・ルッツ
第五回:ディビッド・チャンセラー
第四回:ジェレミー・スティグテー
第三回:マーク・アスニン
第二回: ヴォルフガング・ベルウィンケル
第一回: レナ・エフェンディ