8月14日午後7時半〜:写真家と写真集をレビューする日:リサ・バーナード

© Lisa Barnard / Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden

不定期で開催している「写真家と写真集をレビューする日」、今回はあらたなプロジェクトに着手するために来日することになったリサ・バーナードを迎えて開催します。
今回は2015年度に出された写真集「Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden 」を取り上げ、近年よく見られる写真的、視覚的調査のあり方とその見せ方についても、作家とともに考察していきたいと思っています。また、現在着手中のプロジェクトや今年末に刊行が予定されている最新作「The Canary and the Hammer」についてもお話しを聞いていきます。
とくに関心を持って参加して頂きたい部分は複雑で革新的な視覚のストラテジーを取り入れて現実の出来事を論じる、彼女の表現方法について。少し難解に響くかもしれませんが、ドキュメンタリーの手法、表現の選択肢の一つとして知っておくべき形です。
写真集はRPS図書室にもすでに所蔵されていますので、ご覧いただけます。
皆様のお越しをお待ちしております。

Hyenas of the Battlefield, Machines in the Gardenについて:
「〜文化の裏面は、血、拷問、死、そして恐怖である。」(フレドリック・ジェイムソン、1991年) 「Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden」は、軍事、エンターテイメント産業、テクノロジーの「邪悪な同盟」、そしてそれがどのように現代の戦争との癒着を強めていくかの観察である。
この作品が暴こうとしているのは、相違するように見えるこれらの活動領域間の複雑な関係であり、そして、画面がヴァーチャルとリアルに関わりつつ、それが戦争、メディア、産業の関係の中での発生および発達にとってどう軸となっているかである。
例えば無人航空機(ドローン)の使用など、戦闘を通した訓練と展開の様相において前景にあるのは画面である。さらに、暴露療法を用いた戦争のイメージの癒やし効果への隠れたルートとして使用されているのもやはり画面である。この逆説が、現代の戦争に埋め込まれ隠された真実を暴露する手段としての弁証法の役割の探索を可能にしている。作品は画面から風景へとシフトし、ラスベガスからパキスタン、ワジリスタンから(ワシントン経由で)ハリウッドへと、全く異なりつつも途切れることなくつながるイメージを抱合する。
「Machines in the Garden」は、アメリカの田園の理想的な姿とマシーン技術の間の弁証法的緊張を表現している。「Hyenas of the Battlefield」とは、米兵たちに、現実から離れた場所において絶えず最新情報を与え続ける、テクノロジーに駆り立てられた企業のことだ。
戦争の形態が米国政府の新しいパラダイムを遂行すること、米兵が戦場で死ななくなることが目的なのだ。

© Lisa Barnard / Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden

© Lisa Barnard / Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden

© Lisa Barnard / Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden

© Lisa Barnard / Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden

© Lisa Barnard / Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden

◎写真家と写真集をレビューする日「リサ・バーナード」
日時:2017年8月14日(月曜日)午後7時半〜9時頃まで。
トークは60分から90分程度を予定しております、終了後は気軽に質疑応答や歓談の場としてお過ごしください。終電時まで会場はオープン致します。
会場:reminders photography stronghold
参加費:無料
参加申し込み不要(先着順でご着席となります。定員は30名程度ですので、お席がない場合は立席でもご参加いただけます。)
ゲスト写真家:リサ・バーナード
司会進行:STRONGHOLD GALLERYキュレーター・後藤由美
※当日英語⇔日本語通訳のお手伝いが可能という方は是非ご協力下さい。お願いします!
※敬称略

Lisa Barnard

◎アーティスト紹介:

作家リサ・バーナードについて: リサ・バーナードの写真のジャンルはドキュメンタリーだ。
彼女の写真は、より現代的でコンセプト的に厳格な表現の形を持った伝統的なドキュメンタリーの手法を使う、複雑で革新的な視覚のストラテジーを取り入れて現実の出来事を論じている。
バーナードは彼女の美学への関心、現在の写真における具体性についての議論、そして現在の政治状況を結びつけている。
彼女が特に関心を寄せているのは、グローバル・キャピタリズム、また軍事産業複合施設、スクリーン上における新技術、武力衝突の心理的な関係である。
「バーナードは自身をフォトアーティストであるとしているが、彼女の作品は明らかに政治的である。彼女の作品はドキュメンタリーのリアリズムの比喩へのオマージュであり、またそれを削ぎ落としてもいる。」(ガーディアン紙、Sean O Haganによる「Chateau Despair」レビューより)
バーナードは、サウスウェールズ大学のドキュメンタリー写真学士課程の講師およびドキュメンタリー写真修士課程のプログラムリーダー。
GOSTより、「Chateau Despair」および「Hyenas of the Battlefield, Machines in the Garden」を出版。「Hyenas of〜」は、Albert Renger Patzscheブックアワードからの助成を受け、2015年度のRencontres D’Arlesでは写真集賞にノミネートされた。
2015年、バーナードは Getty Imagesのプレステージグラントを受賞し、最新作「The Canary and the Hammer」を今年末に出版する予定。

日本語訳翻訳:奥山美由紀