松村和彦手製写真集「ぐるぐる – My Transmigration」ご注文受付中

2016年度RPS企画展第3弾は、松村和彦写真展「ぐるぐる~My Transmigration~」を開催いたします。松村は子どもの誕生をきっかけに自身が子どもの時に感じていた命の頼りなさ、死ぬことへの漠然とした恐怖を思い出しました。また、昨年祖母を亡くしたことから命の巡りを実感。そうした感覚の視覚化に取り組みました。本作はRPSの後藤由美によるメンターシップで基本的な構想を練りました。さらに、昨年12月にRPSが開催し、オランダのブックデザイナー、トゥーン・ファン・デル・ハイデンとサンドラ・ファン・デル・ドゥーレンが講師を務めたPhoto Book Master Classで写真集の編集やデザインなどを高めました。そして誕生した自作本48部の出版と合わせ、本展を開催いたします。遠方の皆様にもオンラインからご注文頂ける様に本日より受付を始めさせていただきます。写真展にお越しの方も、事前にご注文をオススメいたします。よろしくお願いします。
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 「いつか死ぬ」。そう知ってしまった幼い私は、死ぬときの苦しみや痛みを想像して、夜にうまく眠れなくなった。そんな時には決まって、不思議で嫌な時間がやって来た。真っ暗な部屋で横たわっているはずの体が浮いて、ぐるぐると、上下左右に回りながら、どこかへ運ばれていった。起きていたので夢ではなかったが、現実とも異なる世界だった。

 あの時、私はどこへ向かっていたのか。私は少しでもその答えに近づきたかった。定かには見えないが、私たちの暮らしのあちこちにある生の光と死の影を捉えようとした。目の前の現実を写し撮ると同時に、現実の先につながる割れ目にたどり着きたかった。

 長男が生まれ、祖母が亡くなったことで、私は心の中にいる幼い私と一緒に写真を通じて答えを探すことにした。

 写真を見つめ、並べ、本を編んでみてを繰り返す中で、ぐるぐると、私が向かっていた先がおぼろげながら見えてきた。私はかつて長男のようにこの世に生を受け、いつか祖母のようにこの世とお別れするのだ。

 しかし、1つ、子どもの時には気付かなかったことも学んだ。私たちは生まれて死ぬだけではなかった。命もまた、ぐるぐると、巡っていた。

松村和彦


▼松村和彦写真集『ぐるぐる~My Transmigration~』
写真、文、製本: © 松村和彦 2016
紋様:松村加奈子
手形と足形:松村海門
英訳:ロイ・ゴッフ、松村和彦
限定48部(エディション、署名入り)
本体124頁、小冊子16頁、写真71点収録、285×205×20mm
小冊子の文章は日英どちらかお選びいただけます
価格:16,500円(消費税込、別途送料についてはこちらをご確認下さい)

ご注文希望の方はメールかギャラリーにてお申し込み下さい。
メール件名に必ず、「ぐるぐる~My Transmigration~」注文希望とお書き下さい。
①お名前②住所(必ず〒番号を入れて下さい)③電話番号④Eメールアドレス⑤ギャラリーで受け取りを希望の方はお知らせ下さい。とくにない場合は発送扱いとさせて頂きます。⑥小冊子の文章、日英どちらか希望の明記をお願いします。
ご注文はstronghold@reminders-project.orgで受け付けます。
6月4日の写真集刊行以降製作開始、ご注文が確定された方々から順次完成次第発送をしてまいります。

GURUGURU – MY TRANSMIGRATION – from REMINDERS PHOTOGRAPHY STRONGHOLD on Vimeo.

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