11/3 午後5時から【写真家と写真展をレビューする日】ゲスト:吉田多麻希


来たる11月3日(水・祝)17時より写真家、吉田多麻希さんをゲストにお招きし「写真家と写真展をレビューする日」を開催することとなりました。
吉田さんは、2021年5月に開催された後藤由美が講師をつとめるアトラスラボワークショップ「眼光紙背に徹す」に参加し、KYOTOGRAPHIE サテライトイベントKG+SELECTへの応募を目標に据え、作品の発展に力を注ぎました。ワークショップ前半では作品のコンセプト化に力を入れ、後半では応募の際に求められる展示案を具体的に考えていくため、模型や試作を繰り返し、計4回のワークショップを終了。ワークショップ終了後も試行錯誤を続け、タイトルも「NEGATIVE ECOLOGY」に決定、公募から選出されたこの作品は、晴れてKG+SELECTへの出展が決まりました。

今回は、作品発展から展示実現にいたるまで、その怒涛の日々を振り返り、作品解説を交えながらお話いただきます。

また、コロナ禍の厳しい状況の中、予定通り会期を全うされたKG+およびKG+SELECT関係者の方々に敬意を払うと共に、会場設営にはRPS京都分室パプロル施工担当の青島工芸さんの妥協のない、寝ずの対応で、裏方からの強力なお力添えもありました。そしてなにより、状況が変わっても、自分の作品を信じ、最高のものを来場者に見て頂くために奮闘し、見事グランプリ受賞を果たした、吉田さんを皆様とともに祝福したいと思います。

本イベントの開催日である、11月3日はリマインダーズ・フォトグラフィー・ストロングホールドの創立9周年の記念日となります。晴れやかな日和にぜひ皆様とご一緒にお祝いできればと思います。ぜひお気軽にご参加ください。皆様のお越しをお待ちしております。

尚、コロナ禍の感染予防対策として、本イベントは事前に参加申込みをされた方のみご入場頂けます。参加希望の方は、必ずフォームより参加申し込みをお済ませください。当日、会場でお名前確認と検温をさせて頂いた上でご入場頂きます。マスクは常時着用でご参加下さい。また本イベントはFacebookを経由したオンライン配信も予定しております。遠方にお住まいの方、会場には直接来られない方、ぜひ配信をご視聴いただけますと幸いです。

【写真家と写真展をレビューする日】
ゲスト:吉田多麻希
聞き手:後藤由美(RPSキュレーター)
開催日時:2021年11月3日(水・祝)17:00 – 19:00
(トークの時間は1時間から1時間半を想定、その後、歓談の時間をもうけます。)
Facebookを経由したライブ配信も同時に行います。
配信リンクにつきましては、開催直前にSNSにてリンクを公開いたします。

18:00 – 【特別ゲスト:KYOTOGRAPHIE 共同創設者/共同代表の仲西祐介さん】
京都国際写真祭KYOTOGRAPHIE 共同創設者である仲西さんをオンラインで繋ぎ、今回のグランプリ作品についてお話しします。

19:00 – 20:00:RPS9周年記念パーティ(イベント終了後、可能な方は是非引き続きご参加ください。)
※このパーティの様子のオンライン配信はございません。

会場:Reminders Photography Stronghold
東京都墨田区東向島2-38-5
問い合わせ:event@reminders-project.org
助成すみだ文化芸術活動助成金

会場参加申込フォーム

※上記のフォームがうまく機能しない場合は下記のリンク先をご活用ください。
https://forms.gle/CnoYbFP4F3mKDG736

「NEGATIVE ECOLOGY」
このプロジェクトは、野生の鹿を撮ったネガフィルムの現像失敗を目にした時に、人の日常生活が、野生生物や自然界に侵食している様を想像したのがきっかけで始まりました。
ネガフィルムをリールに巻く力と、現像薬品温度のミスでできたムラが、そこに写る野生の鹿の世界を侵食している脅威のように感じたのです。

そして、自身の生活と遠く離れた自然を、無自覚のまま汚染しているのでは?という疑問を表すため、東京から1000km離れ、豊かな自然と多くの固有種、野生動物が存在する北海道で撮影を始めました。やがて、人々の生活と密接した環境で生きる「害獣」と呼ばれる保護対象外生物も撮影することになります。撮影を終えると、東京に戻り、日常使用する洗剤、研磨剤、歯磨き粉などの薬品類に混ぜ現像することを試みました。そうして作成されたネガフィルムは、汚染されダメージを受けているかもしれない野生生物や自然を表すメタファーとして存在しています。

化学薬品により損傷したネガから現れる画像は、ただ毒々しいだけではありません。見方によっては美しく鮮やかな姿で私たちの前に表れています。自然界を侵食しているであろう化学薬品は、私たちの使い方、選び方次第では、人と自然界双方にとって恩恵を受ける形に変わるかもしれません。
このネガフィルムから現れる世界は、化学薬品と切っても切れなくなっている現代人の生活と、自然が関わる先の、悲劇だけではない新たな共存の可能性を表しているのではないかと考えています。

プロフィール | 吉田多麻希

幼少期の影響で生き物好きに育ったこともあり、自然な流れで、日々移り行く世の中や、流行りが去ったと共に、忘れられる自然や生き物の姿を気にかけるようになった。2018年より作品の制作を重ね、自身の身に近い生物や自然の持つエネルギーを表現することを試みるため、サーモグラフィーカメラを使用して生物の息吹を可視化させる作品の制作に着手。この作品で2019年キヤノン写真新世紀優秀賞を受賞。また、現代の社会問題と自然や生き物への敬愛を同時に表現するためリサーチを開始。その結果を関連付ける実験的で抽象的な表現を試み、継続中のプロジェクトである「NEGATIVE ECOLOGY」で2021年KG+セレクトグランプリ受賞。

KG+SELECT展示の様子

KG+SELECT展示の様子

KG+SELECT展示の様子

設営風景

設営風景

会場設営時お力添えされたRPS京都分室パプロル施工担当の青島工芸さん

会場設営時お力添えされたRPS京都分室パプロル施工担当の青島工芸さん