第21回グラント受賞作家デイビッド・スタインバーグ写真展「Ouroboros」開催 1/14-22まで
この度、第21回Reminders Photography Strongholdグラントを受賞したデイビッド・スタインバーグによる写真展「Ouroboros」を開催いたします。2019年12月に申し込みが締め切られた第21回Reminders Photography Strongholdグラントではデイビッド・スタインバーグを含む3名が審査員である、アンドレイ・ポリカノフ、エリック・ブルーン、エメリン・ヤング、モニカ・アレンデ、ペギー・スー・アミソン、ステートン・ウィンターの6名によって選ばれました。
会期中は作家本人も来日し、トークイベントも開催されます。ぜひご期待ください。
皆様のお越しをお待ちしております。
Ouroboros
『Ouroboros』(ウロボロスの蛇) とは、素粒子が宇宙へと絡み合いながらこの世界を構成することを示す言葉であると同時に、宇宙での人間の知覚的理解の限界点を探る言葉でもある。写真とインスタレーションで構成されたこの作品は、宇宙を見ることと私たちの惑星を理解することの間で繰り返される無限のループを表現する。私自身の宇宙への強い好奇心を基に構成された、地球(または他の場所)の抽象的風景、人間、科学的な道具、室内などのイメージの組み合わせは、周囲の環境をコントロールしたい人間の欲求と対峙しながら、科学的な秩序の必要性に疑問を投げかける。こうした近くにあるもの、そして遠くにあるものを同時に「見る」という概念は、恐怖、驚き、所有権、未来構築を引き出すことができるのだ。
人間が制御しようとする対象への知識や秩序、そうしたものへの我々の誘惑を明らかにすることで、この世界に対する人間の知覚と理解の限界を私は探っている。ここで表現された風景は、本当に目撃することができるのだろうか?それはどのように巨大なのか?イメージは我々の視覚と同様、見る者に畏敬の念を抱かせると同時に、難解で、混乱を引き起こすのだ。この作品は、宇宙やSFといった迫力ある描写が、どのように私たちを取り巻く世界を形成しているのかを問いかける。そして見る人を、不安と恐怖の道、あるいは健康的、集合的かつすばらしい環境とともに生きる未来への道、両方へと同時に誘っているのだ。
Ouroboros, a term which refers to the intertwining makeup of the universe, sets the cosmos as a stage to locate the margins of our perceptual understanding. This work of photography and installation portrays a repetitive loop between looking towards outer-space and understanding our planet. I pair images of people, scientific tools, and interiors, alongside images of abstracted landscapes of earth (or elsewhere). Grounded in an intense curiosity of outer-space, I interrogate the need for scientific ordering, challenging our need for control over our surroundings. These concepts of seeing, both near and far, can elicit fear, wonder, ownership, and future-building.
Through revealing an allure towards knowledge and order of the objects we intend on controlling; I explore the limits of our perception and understanding of the world in which we inhabit. Can these landscapes be truly seen or witnessed? How massive are they? The images, like our vision, are meant to obfuscate and confuse as much as they are meant to leave the viewer in awe. The work calls into question how we fashion the world around us based on the draw and intensity of outer-space and science-fiction; and I lead the viewer down a path of either uneasiness and dread, or a future built on living with a healthy, collective, and sensational environment.
デイビッド・スタインバーグ
第21回RPSグラント受賞記念 デイビッド・スタインバーグ写真展「Ouroboros」
◎会期:2023年1月14日(土)〜1月22日(日)
午後1時〜午後7時(会期中無休)
◎オープニングレセプション&アーティストトーク:1月14日(土)午後7時〜
◎会場 Reminders Photography Strongholdギャラリー
東京都墨田区東向島2-38-5
◎入場料無料 / 事前予約不要
※コロナ感染症に対する日本の水際対策により作家が来日できない場合は、開催が延期となる場合がありますのでご了承ください。
RPSグラントについて
RPS に企画展を提案して頂き、RPS 審査委員会の審査を通過された方を対象に、RPS ギャラリースペースを 無償でご利用いただきます。
対象: 写真家、キュレーター、ギャラリスト、ほか。
写真展の最新情報についてはこちらのFacebookイベントページにて随時更新しておりますのでご覧ください。
プロフィール | デイヴィッド・スタインバーグ / David Steinberg
デイヴィッド・スタインバーグ(1990年生まれ)はミネソタ州出身の写真家およびアーティストで、シラキュース大学にてアートフォトグラフィーの修士を取得。ミネソタ大学で政治学の学位を取得後、ICP国際写真センターの1年間のプログラムを通して写真に深く取り組むようになった。エディトリアル・フォトグラファーとしての活動のほか、シラキュース大学でインストラクター助手としても勤務している。作品は知覚と知識の概念の限界を中心に捉え、孤独感や観察力といった強い感覚を基に制作されている。風景としての宇宙空間は、想定される未来を問いかけ、生態学的なトラウマを描くための舞台となっている。スタインバーグの作品は、長期のプロジェクト、インスタレーション、本制作に焦点を当てており、ヒューストン写真センター、カールトン・カレッジのパールマン教育博物館、英国王立写真協会、Conveyer Editionsの出版物など、アメリカとイギリスを中心に様々な場所で発表されている。