フォトシティさがみはらアジア賞受賞クルサット・ベイハンのAWAY FROM HOME販売します。
本年度のフォトシティさがみはらアジア賞を受賞したトルコの写真家クルサット ベイハン(Kursat Bayhan)のAway From Homeの販売をお手伝いすることになりました。数に限りがございますが(取り扱い予定冊数は10部ほどです)、ご希望の方はご注文下さい。ギャラリーでの受け取り(の場合もメールでご注文をしておいて頂けますと、優先的におとり置きしておきます、受け取りは12日以降可能となる予定です)、発送(手数料200円)でお送りします。
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写真集「AWAY FROM HOME(故郷から遠く)に収められた写真の一部がこちらです。
「AWAY FROM HOME(故郷から遠く)」について
トルコの急激な変化の中で、地方から都市部へ、東部から西部へと1980年代から1990年代にかけて歴史的な労働者の移動が起き、このことが社会構造に大きく影響を及ぼし続けている。統計によれば、東西の経済格差を理由としてイスタンブールへやってくる労働者の数は、2009年から2010年の期間で2倍以上になった。
若者たちは農業の近代化や経済格差などの理由で職を失い、新たな収入源を求め都市部へ移動していった。イスタンブールやアンカラなどの近代化された大都市で働く何千人もの労働者たちのただひとつの目的は、その都市で生き延び、残してきた家族を支えることだ。
故郷の村や町を離れイスタンブールへやって来た数千人の労働者を対象に行われた調査によると、そのうち90%が非常に低い収入で働いており、75%が一週間以内の短期雇用で社会保障のないままに働いている。10代の子どもの45%と女性の15%が働いている。多くの家庭が、経済状況を理由に家を持てずにいる。また、就学年齢の子どもたちの多くがパートタイムで働いている。
この作品は、イスタンブールの中でも特に労働者が多く住む地区のひとつであるエミノヌとクックパザールで、5年前に開始したプロジェクトである。若者たちが夢と希望を追いかけるためには、厳しい環境の中で戦わなければならない。私が第四世代と呼ぶ若い労働者たちの多くは、専門教育を受けていないため日雇いで働くしかなく、電気と水道の使用を制限され、キッチンもバスルームもないひとつの部屋に10人以上で暮らしている。多くは、月200ドルを稼ぐために行商や、廃品回収をしてそれらを売り歩くことで生計を立てている。50ドルを家賃に払ったあと、残りを故郷に残した家族に送る。よりよい生活を手に入れ、家族をイスタンブールに呼び寄せることができる者は少ない。
「私のプロジェクトの支えとなっているのは、報道写真のもつ一時性である。フォトジャーナリストとは世界をヴィジュアルで捉える歴史家だと感じているが、この記録するという作業は困難を極める。世界中で、毎秒ごとに新しいことが起き、そして消えていっている。これらの出来事は、人々に影響を与え、その人生に変化をもたらす。私はフォトジャーナリストとして、変化の過程にある人々の物語を語りたい。私自身の窓からできるだけ離れ、できる限り客観的に世界を見ることを試みている。」
フォトシティさがみはらアジア賞受賞写真家クルサット・ベイハン
1981年トルコ生まれ。マルマラ大学のコミュニケーション学部を卒業後、社会科学アカデミーで「戦争地域におけるフォトジャーナリズム」に関する研究プロジェクトを行う。2003年からザマン・デイリーニュース紙でフォトジャーナリストとして活動を開始、報道写真にとどまらずドキュメンタリフォトの撮影活動も行っている。