8月25日午後5時から開催:3BOOKS「歴史的事象を視覚的に検証している本」
藤井ヨシカツ 写真展「HIROSHIMA GRAPH – RABBITS ABANDON THEIR CHILDREN」の関連イベントとして3BOOKSを開催致します。
今回のテーマは「歴史的事象を視覚的に検証している本」です。
というと少し難しく感じてしまうかも知れませんが、歴史的な出来事についてはテレビのドキュメンタリー番組や映画、小説などを通して触れることが多いと思います。では写真集というメディアにおいてはどのように表現されているのでしょうか? それを勉強しその可能性について考えてみよう、というのがイベントの趣旨です。
クリスチャン・パターソン『Redheaded Peckerwood』(MACK, 2011)は近年出版された写真集のなかで1つのモデルとなるものです。1958年に起きた10代の少年少女2人による連続殺人事件「スタークウェザー=フューゲート事件」を題材としています。これはアメリカにおいて原型的犯罪と呼ばれるような象徴的な事件で、のちにテレンス・マリックにより「地獄の逃避行(原題はBadlands)」として映画化もされています。
パターソンは過去の資料や関係者への取材を通して事件にまつわる魅力的な断片を掘り起こし再構成しています。それらは直接的ではなく周辺的なものでありますが、1950年代アメリカと事件をうっすらと浮かび上がらせています。
藤井ヨシカツ 写真集『HIROSHIMA GRAPH – RABBITS ABANDON THEIR CHILDREN』(Self-published, 2017) は、テーマは違えどパターソンの本と同じ系譜にあると言えます。藤井はインタビュー、アーカイブの写真や新聞記事、絵画、図表、そして新しく撮られた写真を使い、現在は「ウサギの島」として観光地化されている広島県大久野島の秘められた歴史を『Redheaded Peckerwood』と比較してより直接的な表現で明らかにしています。
写真集は「映画より遅く、小説より速いメディア」と言われています。小説と比較して視覚的で理解しやすい反面、映像ほどの情報量はないという意味ですが、 様々な形式の本を見ることで写真集ならではの表現の可能性について考えてみましょう。
◾3BOOKS
日 時:2018年8月25日(土)午後5時〜みなさまが終電には乗れる頃まで
参加費:500円
テーマ:歴史的事象を視覚的に検証している本 -Re-visiting through Historical Moments Visual Approaches –
写真集をお持ち頂ける方は、このテーマを念頭に置いて3冊を選出しお持ちください。
尚、図書室からピックアップして頂くのも大歓迎です。
手ぶらでのご参加も歓迎いたしますが、活発な議論の場にするためのご協力をよろしくお願いいたします。
詳細は随時Facebookにて更新いたしますのでぜひご覧ください。
みなさまのご参加をお待ちしております!
[当日紹介予定の写真集]
・CHRISTIAN PATTERSON / Redheaded Peckerwood
・ALEJANDRO CARTAGENA / Rivers of Power
・RAFAL MILACH / The First March of Gentleman
・Dieter De Lathauwer / I loved my wife
・Mathieu Asselin / Monsanto: A Photographic Investigation
・Jan Rossel / Belgian Autumn. Belgische Herfst. I’Automne Belge.
・Phillip Toledano / When I was six
・Virginie Rebetez / Out of The Blue
・Rein Jelle Terpstra / Robert F. Kennedy Funeral Train – The People’s View