insightOut!
=このプロジェクトにおいて、個人の内面的なものを外へ、コミュニティの中から外へ、アチェ、タイという
場所からその他の場所へ、写真を使い表現し、伝え、その思いを人と共有するという
意味を表す
昨
年12月のスマトラ沖大地震・インド洋大津波、あれから1年になろうとしています。現在被災地アチェとタイで子どもたちが参加するメディアトレーニングプ
ロジェクト”inSightOut!”を立ち上げ、実活動前の調整中です。
このプロジェクトの原案は今年2,3
月に行ったアチェ(インドネシア、スマトラ島北西部)の子どもたちとの「写真」を使ったワークショップから発展したものです。
未曾有の経験がもたらしたトラウマ、深い悲しみとストレス、および彼らの脆弱性を利用する人々に対する厳しい戦いに直面しつつ、劣悪な環境の避難民キャン
プやバラックで始まった新しい生活の中で生きる子どもたちにとって、危急に必要とされる物資などの支援だけでは癒されない、心の問題を自由に表現、具体化
出来る「何か」が必要とされていると感じました。
言葉ではなかなか言い表せない彼らが抱えるトラウマやストレスが、生存者となった彼らが乗り越えるべくハードルとなっており、この写真プロジェクトを通し
て彼らの思いを表面化する事で、内面の心の問題に打ち勝つ為の手がかりとすべく、バンダアチェとアチェベサール区内の5つの地域で、10 歳から17
歳の子どもたち、現地のボランティアと共に活動しました。
テーマは「写真を通して人に伝えたい事」とし、写真の楽しさを即実感する事、技術的表現よりも個人の表現を重視する事を優先しました。自由に撮影する事を
条件に最低限の技術指導が行われた後、子どもたちは貸し出されたコンパクトカメラとフィルムを持ってそれぞれのコミュニティへと戻って行きました。
彼らの写真から、我々が知る事、思いを共有する事は果たして出来るのだろうか。そして、それを伝えたという事が彼らの心にプラスとなって作用するのだろう
か、プロジェクトが始動するまでには「悲しみのさなかにいる子どもたちにカメラを持たせて写真を撮らせるという事は、単なる大人のエゴではないのか」と批
判を受けた事もありました。
1週間後フィルムをピックアップし現像をしてみると、それぞれの子どもたちの捉えていた瞬間は様々で、我々が想像をする以上に現実をしっかりと捉えたもの
でした。
悲しみに眼を背けるのではなく、自分たちの意思で村に戻り、壊滅的な打撃を受けた、それぞれが以前住んでいた家や学校の跡、家族のために自分たちで作った
お墓、現在住んでいる避難民キャンプや、仮設学校で学ぶ様子が写し出されていました。失ったものを記録し、それを乗り越えようと撮影された彼らの写真は素
晴らしいです。
どうして、この被写体を選んだのか?撮影した理由を尋ねてみました。家族を津波で失い一人残された12歳の少女アナの答えはこうでした。
「写真で記録して残しておきたかった事、そして、自分の思いを写真を通して人々と共有出来る事、それが出来る事が嬉しい」
とそう話してくれました。
写真の原点「記録する事の大切さ」を勇気ある彼らの写真が教えてくれました。
約一ヶ月という短い期間でしたが、共に様々なことを学んだ時間でした。
写真を撮って伝える事、それを媒体化して、情報を共有する事。この短い間に、バンダアチェ地区グループの子どもたちがアチェベサール地区の避難民キャンプ
の子どもたちを訪ねたスタディツアーで経験した事です。それぞれのフォトストーリーを人前で発表する際、子どもたちは真剣でした。その表情は自信に満ちて
いました。
そんな彼らの写真が共同体の域を飛び出し、世界の人々が写真を通して彼らの真の思いを知る事は、必ず、彼らの大きな心の支えとなるはずです。
多くの方が賛同して下さり、この写真メディアトレーニングプロジェクトInSIGHT Outを
支援して下さる事を願っています。
*子どもたちの紹介のページへ
InSIGHT Out!
プロジェクトコーディネート:後藤由美
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子どもたちの紹介
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InSIGHT Out!プロジェクト
写真
トレーナー:後藤勝、ステープ・クリッサナワリン
文章トレーナー:テュウ・ブンナグ
現地NGO:Children Media Center (Aceh)
プロジェクトディレクター:ジィニー・ハラシー
プロジェクト・コーディネーター:後藤由美
[大阪にて写真展開催]
クリックしてチラシをダウンロード出来ます。
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