ギャラリストアスペクト公開ダイアログ ギャラリー運営と写真収集 ゲスト:マイケル・ホッペン
第4回目となるフォトブックマスタークラスが10月の2週末にかけて行われます。
ギャラリーはこの間クローズしておりますが、この期間中に、日本写真界とも縁の深いマイケル・ホッペンギャラリーからギャラリストである、マイケル・ホッペン氏を迎えて公開ダイアログを行うことになりました。
マイケル・ホッペンギャラリーは写真への情熱のもと1992年に設立されました。ロンドンはチェルシーの中心部に3つの空間をもち、新鮮で、興味深いアーティストのキャリア育成や19世紀から現在に至るまでの現代美術家や写真家、親交のある作家の展覧会を開催していることで知られています。
彼らのコレクションの豊富さは多様性のある作品層に反映されています。主な顧客は公的あるいは私的な美術館、企業によるコレクションや、写真作品の発掘や購入から着手している経験豊富なコレクターといった幅広い層にわたります。ギャラリーを訪れる人たちが思いがけない何かに出会うことを目的としており、作品とともに写真の専門知識を提供することで、そこを訪れた人々は作品を前にして理解を深めていくことができるのです。そのようにしてマイケル・ホッペンギャラリーは展示をすることに価値を見出し、アーティストを世の中に送り出すための精力的な発表をつづけています。
2007年には、1945年から今日に至るまでに影響を及ぼした日本の写真家たちの大規模な展覧会とともに100ページに及ぶ図録「Eyes of an Island」が出版されました。8年かけて、マイケル・ホッペンギャラリーは日本との関係性を深め、アジア以外の国で、戦後の日本写真を最も多くコレクションしています。
ここ20年で写真は現代美術界の主要な柱のひとつとして成長してきました。彼らは写真以外の作品や人々と様々なコラボレーションを行ってきましたが、依然として写真という媒体の限界によって課されている境界線を楽しんでいます。イギリスの詩人でもあり劇作家でもあるT.Sエリオットの残した言葉にこんなものがあります。「厳しい枠組みのなかでこそ最大限の想像力が必要とされ、豊かなアイディアが生み出される。」写真は絶えず既存の定義にしばられていますが、彼らはアーティストとともにその境界線を超えていくことを楽しんでいるのです。同様に、私たちにもそういった視点で写真を楽しむことを望んでいます。
今回は主に、マイケル・ホッペンギャラリーの運営方法や写真収集についてなど、これまで開催された展示やコレクションしている作品などを参照しながら、会話を楽しみつつ探っていきたいと思います。ギャラリーの運営と作品の収集。私たちは今回の公開ダイアログの中から、大きな気付きと学びを得られるのではないかと期待しています。
今回は更に多くの方ともその機会を共有したいと思っています。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
また、有意義な場になることを希望しておりますので、質問などご用意してご参加下さい。
日 時:2018年10月24日(水)午後7時から
およそ1時間ほど、終了後は歓談の時間となります。
参加費:無料
ゲスト:マイケル・ホッペン
司会進行:後藤由美 (RPSキュレーター)
※司会進行には通訳が入ります。
※参加申し込みは特に必要ありません。
当日までのイベントに関するアップデートはFacebookイベントページにてご確認下さい。
※10/22には写真集制作マスタークラス公開講義が予定されています。こちらもあわせて参加ご検討下さい。
◎マイケル・ホッペン氏とマイケル・ホッペン・ギャラリーについて
マイケル・ホッペン氏は40年以上にわたって写真に携わっているイギリスの写真界の第一人者である。1980年にロンドン芸術大学(LCC)を首席で卒業。コマーシャル・芸術写真家として自身のスタジオを運営。1992年にマイケル・ホッペンギャラリーを、2000年にはシャイン・ギャラリー(Shine Gallery)をオープンさせる。どちらのギャラリーも幅広いジャンルの写真を扱っており、定期的に19世紀、20世紀、21世紀の写真家の展示を行っている。2004年にはより多様性のある写真を求め、国内外問わず、ニューヨーク、メキシコ、香港、バーゼル、アムステルダム、東京、パリなどのアートフェアに精力的に参加。
マイケル・ホッペンギャラリーはこれまでに、ジャック・アンリ・ラルティーグ、ティム・ウォーカー、マン・レイ、サラ・ムーン、深瀬昌久、ブラッドフォード・ウォシュバーン、森山大道、ルシアン・エルヴェ、東松照明、上田義彦、ブラッサイ、アーウィン・ブルーメンフェルド、ピーター・ビアード、荒木経惟、ギイ・ブルダン、リチャード・アベドン、リチャード・リーロイド、イーモン・ドイルなどといった世界中の多くの偉大な写真家たちと仕事をともにしてきた。その後も2006年以降の20世紀の日本写真を専門とし、西野壮平のような新しくて魅力的な写真家たちを探し続けている。
ヴィクトリア&アルバート博物館やテート・モダン、サンフランシスコの近現代美術館(SFMoMA)、パリのポンピドゥーセンター、アルベルティーナ美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、アムステルダム国立美術館、ゲッティ・センター、メトロポリタンミュージアムなどの美術館・ギャラリーとの取引のために高品質で貴重な写真作品も定期的に扱っており、多くの大企業や中小企業などにもビジュアルマーケティングのような形でアドバイスもしている。