藤元敬二 写真展『Forget-me-not』開催9/9〜24日まで

© KEIJI FUJIMOTO/Forget-me-not

Reminders Photography Stronghold Gallery、2017年度の企画展第三弾には藤元敬二写真展『Forget-me-not』を開催いたします。2016年度にRPSにて開催されたPhotobook as an Objectワークショップで写真集プロジェクト『Forget-me-not』に取り組み始めた藤元敬二。自らも同性愛者として育った藤元は、2014年より約一年にわたりケニアに暮らしながら現地の同性愛者たちを撮影していました。本展示は、そんな藤元がケニアやウガンダに暮らす友人たちの姿と自らの幼少期、青年期、そして現在と重ね、光と影、朝日と闇夜、その狭間で揺れる男たちの姿を、写真と描き続けてた絵、日記とあわせてみなさんにご覧いただける構成になっています。
写真展の開催に合わせて83部限定の写真集『Forget-me-not』を制作販売いたします. 印刷から製本まで作家が83部全て手製する本になりま. 。予約受付は2017年7月下旬に開始予定です。今暫くお待ち下さい。

会期: 2017年9月9日(土)~ 9月24日(日) (※13:00~19:00、会期中無休、入場無料 )
◎◎アーティストトークおよびレセプション:2017年9月16日(土) 午後6時~ (参加費無料)
会場: Reminders Photography Stronghold ギャラリー
〒131-0032 東京都墨田区東向島2-38-5
半蔵門線(曳舟駅)·浅草線(京成曳舟駅)徒歩5分
アクセスマップはこちらをご確認ください。
http://reminders-project.org/rps/map/
写真展の情報については随時Facebookにて更新しておりますので、そちらをご覧ください。

『Forget-me-not』

真っ白なシャツに包まれた、まばゆいばかりに黒い肌の少年。将来の夢はパイロット。かつて空が好きだった男の部屋には、いつも幼少期の写真が飾られていた。

あの頃の夢は幻想となり、彼の室内には衣服が散乱している。家族や友人に偽ったゲイである自身への後ろめたさ、恋人と過ごす淡き安らぎ、そして丸裸の時に表れる自己嫌悪という感情連鎖の中に彼はいま存在している。

たぶん僕たちは似たもの同士だったのであろう。共に迷惑な人間であり、周囲の調和を乱す元凶だった。だからこそ僕たちは少数者であり、また友人になり得たのだ。

窓の外がすこしづつ深紫から青に変わっていく。また朝がやってきたのか。

「そろそろ出かける時間だから」

つぶやいた先に、彼の表情は不自然に明るくなり、負の感情を包み隠す。視線が現実世界への焦点を合わせ、体は汚れたシャツを身にまとう。

開いたドアの外の世界には、青すぎるケニアの空が広がっていた。

© KEIJI FUJIMOTO/Forget-me-not

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