長谷川美祈 写真展 『Internal Notebook』 11/3~26日まで


Reminders Photography Stronghold Galleryはいよいよ今年の11月に5周年を迎えます。今年の記念企画展には長谷川美祈 写真展『Internal Notebook』を開催いたします。

 
長谷川美祈は2015年度にRPSで開催されたオランダのブックデザイナー、トゥーン・ファン・デル・ハイデンとサンドラ・ファン・デル・ドゥーレンが講師を務めたPhoto Book Master Classに参加し本作『Internal Notebook』の前身となる『Quiet…』に取り組みました。その後RPSの後藤由美によるメンターシップで更に推敲を重ね、本作『Internal Notebook』が完成しました。
およそ2年の歳月をかけて完成した手製本の刊行および写真展になります。
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Internal Notebook
 
2016年3月、日本小児科学会は全国で350名の児童が虐待によって死亡したという推定を発表した。厚生労働省での集計では、無理心中も含む児童の虐待での死亡は年間90人前後だった。260人もの児童の死亡は見逃されている。
3歳から暴力、暴言を受けて育った女性は後遺症で聴覚を失った。5歳の時、父からの暴力で弟を亡くした男性は、その後も暴力を受け続けた。小学校2年生で一万円札だけを置かれ、一人で生活をし水道、ガスが止められた女性は、自ら児童相談所に助けを求めた。
私が出会った彼ら、彼女らは言う。「私には目に見える大きな傷やあざは残っていない。長年受け続けた暴力や暴言、精神的な支配、性暴力、人格否定、ネグレクトは目に見えないけれど消えることのない大きな傷を残している。悔しいけれど、この苦しみは誰にも分からない。」と。皆、うつ病を発症したり、自傷行為、解離、パニック、PTSDなど様々な疾患を呈するが、その傷は、見ようとしなければ見えない。そして、理解されない心の苦しみをノートに綴り続けていた。
「Internal Notebook」は、虐待を受けて育った子供たちの内面的な心の叫びのノートである。私は彼、彼女らが綴った日記やノートと共に、現在の肖像を撮影した。また、子供の頃の写真や、当時の記憶を呼び起こす物から親たちの存在を表そうと試みた。しかし、そこから想像出来る親たちの存在は、私達と何も変わらないように思えた。
この本の中にあるのは、親への憎しみや恨みだけではない。 自分への怒り、どうにもできない悲しみ、それでも親を赦さなければいけないのではないかと自分に問いながら必死に生き続ける姿だ。そこには、自らを苦しめたのは親以外の社会の大人でもあったという事実も見えてくる。
 
長谷川美祈
 
日時:
【Part1】2017年11月3日(金)~ 2017年11月12日(日)
【Part2】2017年11月15日(水)~ 2017年11月26日(日)
※【Part1】と【Part2】と展示の構成を変更します。その為11月13日、14日はギャラリーはお休みとなります。ぜひ、【Part1】と【Part2】と両方の展示をご覧ください。
(※13:00~19:00、会期中11/13,14以外無休、入場無料)
◎イベント:
●オープニングレセプション・アーティストトーク
日時:2017年11月3日(金)午後6時から
開催場所:Reminders Photography Stronghold Gallery
住所:東京都墨田区東向島2-38-5(東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩6分・京成曳舟駅より徒歩5分)
 
●墨田区主催 虐待防止講演会「虐待されるということ」
日時:2017年11月8日(水)午後6時から8時まで
開催場所:すみだ生涯学習センター(ユートリヤ)B棟2階 マスターホール
    (Reminders Photography Stronghold Gallery 隣)
※講演会参加希望の方は10月2日から11月8日までに墨田区子育て支援総合センターへお申し込みをお願い致します。
Tel :03-5630-6351
※講演会終了後、Reminders Photography Stronghold Galleryにて特別に写真展をご覧頂けます。
 
●クロージング・アーティストトーク
日時:2017年11月25日(土)午後6時から
開催場所:Reminders Photography Stronghold Gallery
住所:東京都墨田区東向島2-38-5(東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩6分・京成曳舟駅より徒歩5分)写真展の情報については随時Facebookにて更新しておりますので、そちらをご覧ください。
 
皆様のお越しをお待ちしております。

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook

©MIKI HASEGAWA / Internal notebook