12/23午後7時半〜写真家と写真集をレビューする日+さよなら ジャンカルロ・シバヤマ+3books:家族とアーカイブス

今年最後の写真家と写真集をレビューする日は9月の末頃から来日して本作りの仕上げと刊行を成し遂げたペルーの作家・ジャンカルロ・シバヤマを迎えて行います。
この写真集プロジェクトは今年の5月にRPSで開催されたPHOTOBOOK AS AN OBJECTワークショップで取り組まれたもので、ワークショップで更なる発展をし完成したものになります。
行と同時にPHOTO LONDONとBRITISH PHOTOGRAPHY JOURNALが主催した初のPHOTO DUMMY AWARDのショートリスト、ANAMOPHOSIS PRIZEのショートリスト、またアルゼンチンFOLAの今年の写真集を受賞。
まだ出たばかりの本ですが、これからも大いに話題に挙がる本になると思います。
そんな彼もいよいよビザが切れる最終日に帰国することとなり、今回は彼の写真集をレビューする日でもあり、ひとまず「さよなら」をする会にもなります。

またあわせて3回目の3BOOKS開催いたします。
今回、ジャンカルロの『The Shibayamas』とイベント時会場となるRPSギャラリーで写真展開催中の鈴木麻弓の『The Restoration will』に共通する、「家族」と「アーカイブズ」からテーマのアイデアを引き継ぎ、皆さまと自由な議論を交わしたいと考えています。

綿密なリサーチにより背景を明らかにするもの、事象の背後にあるパーソナルなストーリーを丹念に描いたもの、膨大な写真アーカイブからセレクトした独自な視点を示したものなど、ひとことで家族とアーカイブに関わる写真集といっても、その物事を伝えるための写真家の視点と技法は非常に多様なものと言えるでしょう。

その中でも特にジャンカルロと鈴木麻弓の作品はよりパーソナルな入り口からより普遍的なテーマへと導かれる構造となっています。
彼らはその物語の当事者でもあり語り部でもありますが、その狙いはナラティブを通しより大きな絵を描く事です。
その際に重要な要素となるものは遺されたアーカイブ資料とのやり取りです。
物語を補強するためではなく、アーカイブ資料の使用は写真家にとって過去や記憶との対話と言えるかもしれません。記憶を二度と取り戻せない過去として見るか、または再構成による過去の恢復として見るか、私たちその都度問われているように思えます。
「家族」と「アーカイブズ」非常に大きなテーマですが、死と生、記憶と忘却、民族と個人、ディアズポラと故郷、愛憎と和解、社会と自然、歴史と編集等々様々な事象や感情をこのテーマは浮き彫りにするでしょう。
是非テーマに沿ったあなただけの3冊をご持参下さい。RPS図書館からセレクト可能、見学も歓迎してます。皆さまのご来場をお待ちしています。

■概要
写真家と写真集をレビューする日+「3BOOKS」
テーマ:家族、アーカイブス
日 時:2017年12月23日(土)午後7時から
参加費:無料
※当日23日は鈴木麻弓写真集「THE RESTORATION WILL」CEIBA版発売記念展オープニングレセプションおよびアーティストトークも午後4時から開催されます。是非、こちらもあわせてご参加ください。
http://reminders-project.org/rps/mayumisuzuki_ceibajp/

「3BOOKS」はテーマに沿った写真集を3冊持ち寄りディスカッションするイベントです。手ぶらでのご参加も歓迎いたしますが、活発な議論の場にするためのご協力をよろしくお願いいたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。