吉田亮人写真展『The Absence of Two』開催 8/5〜20日まで

Reminders Photography Stronghold Gallery、2017年度の企画展第二弾には吉田亮人(よしだ・あきひと)写真展『The Absence of Two』を開催いたします。
小学校教師を辞め写真家の道を選んだ吉田は、写真家を志した頃から年下の従兄弟と、従兄弟が生まれた時から生活を共にする祖母の関係性を撮り続けてきました。本展示は23歳で自死した従兄弟と、88歳で他界した祖母の「存在」の記録と、2人の「不在」をテーマに構成します。
皆様のお越しをお待ちしております。

(尚、本プロジェクト着手当初は従兄弟の自死から「Falling Leaves」というタイトルをつけていましたが、2016年末に祖母が他界し、2人が不在となったことにより、「The Absence of Two」というタイトルに変更されました)
※写真展では吉田が手製した写真集もご覧いただけます。111部限定の写真集のご予約受付は終了いたしました。

”The Absence of Two”

宮崎県国富町。
田畑が広がるのどかで小さなこの田舎町に、私の祖母と従兄弟の大輝が共に生きていました。
祖母は忙しい大輝の両親に代わって幼少期より彼を大切に育て、同じ家、同じ部屋で寝食を共にしてきました。いつだったか、大輝が私に向かってこう言ったことがあります。

「ばあちゃんが死ぬまで僕が面倒見る」

その言葉通り、青年へと成長してからも祖母と離れることなく、二人の暮らしは続きました。
私はそんな二人が紡ぐ小さな日常を家族として、写真家として描写し続けました。
そしてこのストーリーは、遠くない将来に訪れるであろう祖母の死をもって終わりを迎えるはずでした。
しかし、それは何の前触れもなくやって来たのでした。

「あれはどこ行ったっちゃろうかい。バイクで行ったっきり帰ってこんが。」

2014年2月末、突然行方不明となった大輝。
何の手がかりも得られないまま、約1年が経過したある日。帰らぬ姿となった大輝が森の中で見つかったのでした。大輝は祖母を置いてその生涯をひっそりと、何も言わず、何も残さず、23年の生涯を自ら閉じたのです。その後を追うかのようにその翌年の2016年、祖母は88歳で他界しました。

最後に残されたのはお互いがお互いを必要しながら、支え合い、労わりながら生きてきた二人の幾葉もの写真たちでした。
小さな田舎町で、小さな日常を生きた、小さな家族の写った写真を通して、私は二人と再び対話してみようと思います。

吉田亮人

日時:2017年8月5日(土)~2017年8月20日 (日)(※13:00~19:00、会期中無休、入場無料 )
◎◎オープニングレセプション、およびアーティストトーク:2017年8月5日(土)午後6時から
開催場所:Reminders Photography Stronghold Gallery
住所:東京都墨田区東向島2-38-5(東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩6分・京成曳舟駅より徒歩5分)
皆様のお越しをお待ちしております。
写真展の情報については随時Facebookにて更新しておりますので、そちらをご覧ください。

© AKIHITO YOSHIDA / THE ABSENCE OF TWO

© AKIHITO YOSHIDA / THE ABSENCE OF TWO

© AKIHITO YOSHIDA / THE ABSENCE OF TWO

 

© AKIHITO YOSHIDA / THE ABSENCE OF TWO