Book Dummies 2008 @ ICP

来年の一月に予定している「ブック・ダミー・プレス」ワークショップ」で講師を勤めるビクター・シラ氏。まだ誰もダミーに着目していなかった時に(鈴木清さんのショーを行ったオランダのギャラリーは別として)、彼がキューレーションし開催された、とても画期的な展覧会をご紹介します。
一つのプロジェクトを大事に丁寧に傷つかないように育てていくのが主流だったフォトグラファーにとって最終結果以外の過程で展覧会だなんてタブーに近かったと思いますが、このショーが開催された2008年以降からアーティスト達の表現方法が徐々に変わって、もっと自由になっていった様な気がします。
この彼のキューレーションした展示が時代の流れを変えたと言っても大げさではないほどに歴史的な意味を持つ画期的な展示でした。誰も試みないことを感じ取ってやる、それを受け取る聴衆が存在すること、そうしたことをいち早く感じ取るセンスを持っている。東京で開催されるブックダミープレスのワークショップでは本作りを通じて感覚的なものも 伝えられるのではないかな、と思っています。

2008年にNYのInternational Center of Photography(ニューヨークの国際写真センター)で行われた「Book Dummies」は、アメリカでいち早く本作りの過程に着目しその最終形態といかに同等、またはそれ以上の重みをもつかを提案し、洞察を深めた展覧会でアメリカの写真誌等に好評を記しました。キュレーターであるビクター・シラ自身を含め米国内外で活躍している計7名のアーティストのブックダミーや写真、映像等の幅広いコンテクストを展示する事によって一枚の写真や完成した写真集では見出せない彼らの思考や創作過程を視聴者は感じ細部まで時間をかけて見る事ができ、ブックダミーの意味を照らす重要な役割を果たしました。



BY BOOKDUMMYPRESS
http://bookdummypress.com/